展示会の強化書

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展示会ブースで打ち出す自社の強みとは?、自社ビジネスを分析して掘り当てる

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「自社の、または出展製品の強みは明確か?」と聞いたときに出展者の皆さんなら当然何らかの回答は持っていることだろう。展示会では「強み」が最大限伝わるようなブースにすることが結果を出すための常道だ。

 

しかし、ここでもう一つ質問を重ねてみる。

「その強みとは、顧客にとっても強みなのか?、言い換えると顧客が競合と比較したときの選定理由になり得るものか?」

 

自分たちが思い描いている強みとは、本当に顧客視点でも強み(選定理由)であるのか、それを知るためには幾つかの視点から分析することが必要になる。

 

 

何を分析すれば自社の強みがわかるのか

 

主に2つの項目を分析することで自社の強みを探りあてていく。この2つは片方を分析すれば終わりではなく、相互に作用しあうので行きつ戻りつしながら検討を進めていくことになる。

 

  1. 自社のビジネス
  2. 顧客の視点

 

この記事では、特に自社のビジネス分析について掘り下げていきたい。

 

自社のビジネス分析では、世間でも一般的かつベタベタな分析フレームである3C分析やSWOT分析の要素を活用する。ただし、そのまま活用するのではなくブースの企画推進に活用しやすくなるように展示会の強化書流に解体しながら分析を進めていきたい。 

 

さて、強みを分析する前提として意識しておいたいただきたい点がある。

 

それは、自社が考える強みと顧客が考える強み(選定理由)は一致していないケースがあるということだ。自社を構成する要素のどこが顧客にとっての選定要因になったのか、案外正しく掴めていないことすらある。

 

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そもそも「自社の考えている強み」と「顧客から見た自社の強み」が一致しているのであれば特に苦労はしないはずだ。自分たちが思う強みがしっかり伝わるブースをつくれば出展効果が出るはずだから。もし、既に強みが明確になっているのであれば、ここでの分析は不要なので次の段階に進んで問題ない。

 

強みを打ち出しているのに効果が出ないということは、そもそも自社の強みに対する認識がズレているという可能性を疑った方がよい。「自社の考えている強み」と「顧客からみた強み」がズレているのであれば、いくら「自社の考えている」強みをPRしたところで顧客に刺さらないのは明白だ。どうやって強みを知ればよいのだろうか?

 

最初に戻るが、

  1. 自社のビジネス
  2. 顧客の視点

これらを丁寧に解体して言語化するという作業から強みを見出す。

 

自社のビジネスの要素を丁寧に分析し体系化しておけば、顧客視点で捉えたときにどこに強みがあるのかが分かりやすい。また、体系化しておくと思わぬ発見があることも。だからこそ、世間でも一般的なベタベタ分析フレームをここでも似た形状で活用するのだ。

 

 

1-1:自社ビジネス分析

 

ここでは自社のビジネス・価値観を言語化する。自分たちが「当たり前」と捉えていることも、言語化というプロセスを経ると新たな気付きにつながる。

具体的に分析する項目は①自社の価値観、②自社のビジネス傾向、③自社の商材・環境だ。 

 

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自社の価値観分析

 

自社の価値観とは、企業活動の根幹を支えている情報である。具体的には、①経営理念、②ビジョン、③CI、④ブランドなどの情報を整理することだ。そのほかにも必要と思われる情報があれば適宜ピックアップするとよい。

 

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これらの情報と合わせて、その言葉に至った意図(または経緯)を記入する。

例えば5年後をイメージして策定したビジョンがあるとしよう。そのビジョン+なぜそのようなビジョンを立てたのかという意図を併記するとよい。なぜなら、意図のなかには多くの人にとって理解しやすい本質が含まれているからだ。

 

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自社のビジネス傾向分析

 

自社がビジネスを【展開している位置】や【傾向】がどのような傾向か、軸をつくって分析する。自社内では当たり前の認識である情報であっても、協力会社・パートナーに対して【基本的なビジネスの傾向】を共有しておくことは、共通言語をつくるうえで重要なプロセスだ

 

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自社の商材・環境分析

 

自社が何を生み出していて、生み出すものの背景にある源泉は何かということを整理する。まだこの時点では「何が顧客にとっての価値なのか」は分からない。しかし、整理して列挙しておくことで後の作業から気付く場合がある。

 

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なお、現時点においては「強み」「弱み」という視点でなく「事実」を抽出するようにする。同じことの繰り返しではあるが、自社が考える「強み」と顧客にとっての「強み」(選択理由)は一致しないことがあるからだ。

 

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1-2:強み・弱み・プロセス分析

 

強みと弱みの言語化、さらにビジネスプロセスを可視化する。

顧客視点になると強みの見え方が変化する。その強みは製品やサービスそのものではなく、自社のビジネスプロセスのなかにある可能性もある。

 

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①強みと弱みの分析

 

SWOT分析におけるS(強み)とW(弱み)の分析をここでは行う。展示会においては「強み」の方がメッセージ化するにあたって顧客の課題に応えているケースが多いので、強みの分析を分厚くする。顧客にとって価値になりやすい要素を幾つかピックアップしているので、以下の項目から分析をスタートさせ、思考を広げていくと進めやすいだろう。

 

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なお、ここでの「強み」とは、顧客から見たときに自社がどのように見えるかを意識して分析すると効果的だ。顧客の視点とは大抵の場合で競合との比較が発生する。競合他社と比較したときに自社の強みにつながる要素が顧客からはどう見えているのか、顧客の心の声を言語化してみるイメージで進めてみるとよいだろう。

 

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また、「弱み」についても分析してみるべきだが、分析目的は弱みの改善ではない。改善は展示会で行うことではなく、ビジネスプロセス全般に関連するテーマになる。展示会向けにわざわざ弱みを分析する理由とは、弱みを生み出している要因のなかに、実は強みと言える要素が隠れているケースがあるからだ。

 

自分たちが弱みだと思っていると、そこを掘り下げることは中々気持ちが向かわない。よって、普段がスルーされていることが多いが、意外な強みが見つかったりすることがある。「自分たちがどう思うか」ではなく「顧客がどう捉えるか」が大切なのだ、自分たちの印象は関係がない。

 

②ビジネスプロセス分析

製品・サービスの販売プロセス・開発プロセスを可視化する。

 

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例えば、製品やサービスそのものに魅力を感じているのではなく、トラブルがあったときの対応フローがしっかりしている、品質を担保するための独自のプロセスを導入している、といったことを顧客側が評価しているケースもあるだろう。

 

しかし、そこを顧客が評価しているということがわからなければ、自社のビジネスプロセスは強みと捉えられていない(そもそも目が向いていない)という状況になる。自社のビジネスプロセスを可視化しておくことは、顧客にとっての価値に繋がる要素を見落とさないという意味でも大切な作業になる。

 

カスタマージャーニーマップに近いツールとも言えるが、顧客だけでなく自社の業務プロセスも可視化し、両者の接点を整理する。A4サイズの用紙内だと相当簡略化しないといけないので、フォーマットにこだわらず大きな画用紙のなどで考えてみるとよいだろう。あるいはいきなり用紙に各要素を書き込まず、付箋に項目・要素を書き出してから、貼り付けたり剥がしたりしながら考える方法を採れば、可視化しやすくなる。

 

1-3:業界分析

 

SWOT分析であれば次にO(機会)とT(脅威)の分析になるが、自社起点で捉えてしまうと展示会で顧客に響くメッセージづくりに繋がらない。市場のなかで自社の位置関係を俯瞰してみるために、OとTを生み出すベースとも言える業界の全体像を整理する。自社視点から離れ、顧客視点で市場の全体像を捉えるというモノの見方が大切だ。

 

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ただし、顧客視点と言いつつもこれらの分析はプロダクトアウト的な製品基点の分析であることは念頭に置いておく必要がある。顧客の課題に寄り添ったときに、【業界】という括り方では競合他社が語れないケースがあることを意識しておこう。

 

■参考記事

www.tenjikaibooth.net

 

業界動向分析

 

過去~現在~未来という時間軸で業界・技術の推移を整理する。

 

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過去とは何年前?、未来とは何年後?という疑問がわくかもしないが、年数で過去と未来を区切るわけではなく、過去と現在の境界線は業界構造やビジネスモデルを変えるようなインパクトある変化があったタイミングを起点に区切っていただきたい。現在と未来の境界線も同様だが、これは予測の範疇を出ないので、今できる未来予測のもとインパクトある変化が起こりそうなタイミングで区切っていただければよい。

 

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その変化の前後で、業界や技術がどう変化したか(変化しそうか)を記入する。また、具体的に起こった変化の内容についても併記しておくと分かりやすい。

 

さらに、現在~少し先の未来でトレンドになりそうなことを洗い出す。これはPEST分析などの手法で分析したり、顧客との会話のなかにある兆しから見出す方法がある。

 

価値システム・競合分析

顧客を中心に市場全体を捉えたときに、製品やサービスがどんな価値を届け、その価値をつくるためにどんな要求をしているのかということを分析する。

 

サンプルとして以下のようなフレームを埋めていくと全体像が見えるが、このフレームに限らずとも顧客を中心においた分析ができるのであれば他のものでも問題ない。ただし、こちらもプロダクトアウト的な市場の切り取り方になってしまうので、プロダクト基点での分析と課題起点での分析の双方を検証すればより精度が上がるだろう。

 

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顧客だけでなく、顧客の先の顧客やエンドユーザーを想定することで、顧客の志向を具体的に言語化していく作業となる。顧客が何に悩んでいて、どんな価値を提供しようとしているのか、そのために自社が位置するセクションでは何が求められているのかを想定していくと、リアルな分析に繋がるだろう。

 

競合との分析も、顧客視点でみたときにそれぞれどんな特徴があるのかということが重要であることに変わりはない。ついつい自社の視点で自社と競合を比較すると、顧客にとってはどうでもよい点を比較してしまっていることもある。そのため、市場全体を捉えようとすることは、顧客の視点がどこに在るのかを気付く契機となる。

 

1-4:製品・サービス分析

 

ここでは、出展製品・サービスが持つ要素を整理する。

 

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製品・サービスを開発・取扱した理由

 

なぜその製品を開発したのか、どんな出来事がきっかけになったのか、取扱いに至る経緯はどんなモノだったか・・・製品・サービスの背景にある要素こそが、実は強みを伝えるためのヒントになることもある。

 

ここでのちょっとしたコツが一点、「目的」という言葉は使わない方がよい。

 

「目的」という状態になっている時点で比較的まとまっており、誰にでも理解できるような標語になっているケースが多いが、目的に至る前のモヤモヤした沢山の理由のなかに本質が存在するケースがあるからだ。理由は?という問いかけ方だと、その本質に辿り着きやすい。

 

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製品・サービス概要、製品・サービスの仕様・稼働要件

これらの項目はシンプルに「事実」にあたる要素を書き出しておく。

 

おわりに

 

ここまで進めると、自社のビジネスが丁寧に解体されているだろう。しかし、まだ本当にここで分析した内容が強みなのか、あるいはどこに強みがあるのかは分からない・確信が持てない。そのため、次に行うペルソナの設定をとおして、自社分析した要素のうち何を強みとして打ち出すのか探っていく。

 

www.tenjikaibooth.net

 

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