展示会の強化書

展示会ブース出展の成果を劇的に向上させるための方法論をギュっと濃縮した強化書です。あなたのビジネスは展示会で大きく伸ばせる!

展示会ブースはキャッチコピーが命

スポンサーリンク



 

キャッチコピーを真剣に考えれば、展示会ブースの集客を質・量とも飛躍的に伸ばすことができる。

 

 

展示会場を巡っていると、特に目を引くような展示製品があるわけでもないのに集客に成功しているブースを見かけることがあります。周りから見える競合のブースとは圧倒的に差がついているというケースも多いです。しかも、集客に成功しているブースと周辺の競合ブースの展示製品・サービスは、一見すると通路からでは違いが分からず、似たような製品・サービスにしか見えません。

 

それなのに、集客に差がついている理由は何でしょう。答えはキャッチコピーの精度です。そして、コピーライターでも何でもない皆さんでも、考え方一つで展示会で効果の上がるキャッチコピーを作ることはできるのです。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009090111p:plain

 

この記事では、展示会の成否を強く左右するキャッチコピーを科学します。

 

 

 

展示会場ではキャッチコピーが重要視されていない!?

  

ある展示会で500件近くのブースが掲出している【来場者が一瞬で視認できる情報】をリサーチし分類したところ、集客に繋がる情報を提示できていたのは全体のわずか7%でした。

 

f:id:tenjikaibooth:20191031104127p:plain

 

www.tenjikaibooth.net

 

さて、なぜ展示会ではキャッチコピーが重要なのでしょう?

 

実は、展示会場にある多くのブースは来場者が立ち寄る理性的な理由感情的な動機も提示できていないのです。あなたのブースも、多くの出展者と同じく来場者が立ち寄る理由も無ければ動機も生み出せていないのかもしれませんよ。

 

多くの出展者はキャッチコピーの重要性を実感していません来場者の集客に繋がる適切なキャッチコピーにまで辿り着けている出展者は全体のわずか7%。だから、キャッチコピーの重要性は分かっているものの適切なキャッチコピーを作ることができていない、という出展者も多いのです

 

つまり、これはチャンスでもあります。

 

多くのブースが理由と動機を生み出せていないのが現状。ということは「あなたのブースが打ち出すキャッチコピーが、来場者が立ち寄る動機を生み出すことができたなら、どの出展者よりも抜きんでた最高の集客ができる」ということです。

 

だから、ぜひキャッチコピーを真剣に考えていただきたいのです。

 

装飾に数百万費やすよりも、数時間かけて考えたキャッチコピーの方が強い集客力を発揮することだってあります。

 

 

出会いたい来場者を集客するキャッチコピーの特徴

 

展示会で成果を上げているブースのキャッチコピーは以下のような特徴を持っています。

 

  • 一瞬で視認できる情報量が【視認性良く】提示されている。
  • 忙しい来場者が、時間を割いてでも見ようと思う。
  • 来場者の課題を言語化している。
  • ブースに立ち寄る理由を提示している。
  • 適切なスクリーニング機能が発揮されている。

 

さて、そんなキャッチコピーはどのような方法で作り上げればよいのでしょう?、どのような見せ方をすれば効果的なのでしょう?、何に注意して考えればよいのでしょう?

 

私にはセンスがないから・・・なんてことを思ってしまう方もいるでしょうが、コピーライターでも何でもない皆さんでも、考え方一つで展示会で効果の上がるキャッチコピーを作ることはできます。(大事なことなので2度目)

 

展示会で来場者に刺さるキャッチコピーをつくるためのコツ

 

展示会キャッチコピーの制作は大きく分けて2つの段階に分かれます。

 

①誰に、何を伝えるか

②どう伝えるか

 

キャッチコピーという一言をいきなり考えようとしても上手くは進みません

 

言葉に集約する前に、自社の提供するサービスの特徴、顧客の特徴や課題、顧客が真に価値を感じる自社サービスのなかの要素を整理することからスタートしましょう。これは、来場者にとっての目的と言える要素です。

 

目的が整理できたところで、どう「伝えるか」という表現を考えます、これが手段。手段には①キャッチコピーそのものの文章表現と、②どんな見せ方で来場者に届けるのかというデザインの要素があります。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009091944p:plain

 

先に挙げた成果の挙がるコピーを掲出している7%の出展者には特徴があります。打ち出しているメッセージの主体が顧客基点かつ顧客にとっての目的提示になっているのです

 

主体が出展者基点か顧客基点かで分類する軸と、顧客にとっての手段提示か目的提示かで分類する軸、この2軸でキャッチコピーを分類すると分かりやすいです。

 

f:id:tenjikaibooth:20191019012400p:plain

 

■メッセージの主体

出展者基点のメッセージは「自分たちは〇〇です」「この製品は〇〇です」という表現だ。対して来場者(顧客)基点のメッセージとは「〇〇になれます」「〇〇ができます」といった表現で、製品・サービスの導入が起こす未来を顧客に想像させたり、逆に導入しないことによる損失を示唆したりする表現です。来場者にとっては、当然自分が基点になっているメッセージの方がイメージしやすいのです。

 

■顧客にとって、目的か手段か

製品・サービスのもたらすメリットを顧客にとっての手段から切り取っているか、目的にまで深掘りしてベネフィットとして表現されているかの違いです。例えば、IoTの導入を進めるようなサービスを展開するときに、よく「見える化」がキーワードとして挙げられることが多いです。しかし「見える化」とはあくまでも顧客にとっての手段であり、「見える化」の先に実現させたい未来が顧客にはあるはずです。ブームになっているようなキーワードをそのままキャッチコピーとして使っている場合も多いが、その先に潜む顧客の目的はそれぞれに異なります。あなたが獲得したい顧客の目的が何なのかを考え、表現として落とし込みましょう。

 

キャッチコピー案ができあがったら、この二軸分類でチェックしてみましょう。よいキャッチコピーに辿り着くためには、他にも多角的な検討が必要になるが、まずはこの二軸分類が第一歩です。なぜなら、顧客基点×目的表現になっているだけで、既に展示会場では差別化されています。この表現ができている出展者は全体の7%だけなのだから。

 

良いキャッチコピーづくりのフレームワーク

 

さて、実際にキャッチコピーづくりの作業をしようと思っても、何も手掛かりの無いところからスタートすることは難しいかもしれません。そのため、キャッチコピーづくりの助けになるフレームワークを販売しています。

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 

 

絶対に展示会で成果を挙げたい人のための「刺さるキャッチコピー」を作る方法(フレームワーク付き)|たけうちのぶお|note 

 

 

ここではキャッチコピーを作り上げるためのフレームと、考えるにあたっての注意点やポイントがまとまっているので、今すぐキャッチコピーを作りたいという方は、このフレームに沿って検討するとよいでしょう

 

あわせて、キャッチコピーを作るときによく聞かれる質問があるが、その点についてもこのフレームのなかで簡単に説明しています。

 

  • キャッチコピーは何文字が適切?
  • 複数のキャッチコピーをブースに配してもよいの?
  • どんな見せ方をすれば、キャッチコピーが目に留まりやすい?

 

キャッチコピーの作り方・見せ方の参考にしてください。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009092144j:plain   

 

展示会でキャッチコピーが重要となる4つの理由

 

本当にキャッチコピーが重要なの?と思われる方もいるかもしれません。なぜこれほどまでに大切だとお伝えするのかという背景をご説明します。

 

それは、これから挙げる展示会が持つ4つの特性によるもの。この特性を理解しておけば、自分たちのキャッチコピーが来場者に刺さるものかも判断できます。

 

①来場者は数秒でブース前を通過する(目を向ける時間は一瞬)

 

展示会場では、一見来場者はゆっくりと歩いているように見えます。実際ゆっくり歩いているのですが、それでもあなたのブース前を通過するのは一瞬です

 

しかも来場者は、あなたのブース前を通過している間、あなたのブースをずっと見ているわけではありません。来場者は目に飛び込んでくる多くの情報に目線を移し、自分に必要なものを一瞬で取捨選択しています。あなたのブースの周りには、他のブースがひしめき合っている。だから、あなたのブース前を通過している間も目線は他の場所に移ります。

 

f:id:tenjikaibooth:20191031131236p:plain

 

仮に、来場者があなたのブース前を通過するのにかける時間が10秒だとしましょう。かなりゆっくり歩いても、通路に接している面が6mのブースぐらいであれば10秒あれば通り過ぎてしまうでしょう。

 

この10秒のうち、あなたのブースに対して目線を向けている時間は、思った以上に少ないのです。通路を挟んだ向かい側にブースがあれば、そちらに目を向けるし、これから進む道の先にある情報にも予め目線を向ける。もし自社の向かいのブースが展示している展示物が目を引くようなものだったとしたら、あなたのブースに向けられる時間はさらに短くなります。

 

だから、来場者が目線を向けた一瞬で、その来場者がブースに立ち寄る動機を提示できなければならないのですしかも、理性的な理由と感情的な動機の双方を提示できなければ、足を止める力は弱いのです

 

②来場者は多くのブースをまわれない

 

展示会来場者、個々の行動を解体してみると、ブースの訪問に使える時間は予想以上に少ない。ということは、よっぽど強い動機を感じなければブースには立ち寄ってもらえないということです。

 

来場者の滞在時間は半日程度が最も多いと言われています。(展示会開催時間の半日程度なので、大体4時間程度)。この滞在4時間の内訳を考えてみましょう。

 

また、多くの展示会は併催のセミナーを来場者にとって魅力的なテーマで開催し集客に繋げています。セミナーは長いものだと90分、短くとも60分程度です。つまり、60分のセミナーに参加すると、ブースを見る時間は3時間程度ということになります。そのうえ、来場者は会場内をゆっくりと歩きながらどこのブースに入ろうかと考えています。3時間すべてがブースでの滞在時間ではありません。

 

仮に移動に使う時間がトータルで30分だとするとブース訪問に使える時間は約2時間30分です。個別のブース滞在時間は様々な説があるが、ここでは少し長めの1件あたり10分の滞在時間と仮定すると、訪問できるブース数は15件です。

 

さて、来場者1人が訪問するブース数=15件という数値を聞いてあなたはどう感じるでしょうか。しかも、この数値を額面通りに受け取ってはいけません。ご存知のとおり、来場者は事前に訪問リストを作成し、立ち寄るブースにアタリをつけています

 

f:id:tenjikaibooth:20191009090349p:plain

  

仮に事前の訪問予定数が10社だったとしたら、それだけで残りのブース訪問は5社になってしまう。さて、あなたのブースはこの5社に入ることができるでしょうか。訪問リストに入っていないのであれば、よほど来場者の心を刺激しなければならないとブースに立ち寄ってくれないでしょう

 

ちなみに、来場者のブース滞在時間の平均は約5分、訪問するブースの数は30社程度だとするリサーチもあるようです。どちらが正解というわけでなく、どちらの来場者のタイプも展示会場にはいるはずですが、おそらく30社程度まわるような来場者はリサーチ目的の要素が強く、いかに効率よく情報収集するかという点に重きを置いていることだろうということが想像できます。

 

訪問ブース数の多い来場者の場合、事前の訪問リストに載っている企業数も比例して増えているはず。30社程度訪問予定のうち、20社は事前に訪問リストに載せているブースだとすると、残りの滞在時間は1つのブースを5分で訪問しても10社ということになります。

 

来場者は時間がありません。だから、あなたは来場者に対して、来場者の持つ僅かな時間を割いてでも自分のブースに立ち寄る動機付けをする必要があります。動機付けがあるからブースに足を踏み入れる。ここにプラスして、納得感や欲求の喚起という要素が加わっているなら、間違いなく集客に繋げることができるでしょう

 

f:id:tenjikaibooth:20191009090525p:plain

  

③課題が言語化できていない来場者の存在を忘れている

 

展示会来場者のなかで、自社の課題を正しく認識し、その解決に向けた商材そのものを探しに来ているという割合はどの程度でしょうか。以下に挙げるような状況の来場者も多いことは【リサーチ目的】の来場者が多いことからも想定できます。

 

  • 課題が発生していると認識していない(顕在化していない)
  • 課題を大きなものとは受け止めていない(優先順位が低い)

 

このようなケースの場合、来場者に課題の言語化をしてもらわなければ、そこから先の商談には進みません。

 

展示会来場者の大半がリサーチ目的で数を収集することを目的にしているということは、課題が言語化できていない来場者が多いという一面も含んでいると言えます。だから、展示会来場者のブース滞在時間は短く、多くのブースを訪問するようなかたちで会場を巡ります。このような来場者に対しては「あなたは〇〇の課題を抱えているんですよ」ということを認識してもらわなければ先には進みません。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009090744p:plain

 

逆に、課題の言語化が既に進んでいる来場者はどのような展示会行動を取るでしょうか。例えば検討が一定のレベルまで進んでいる、例えば複数製品・サービスの比較段階にある、例えば展示会でないと確認できない実機の挙動確認のために来場した。このような来場者であれば商談・接客の時間は長くなるでしょう。そうなると訪問ブース数はリサーチだけの来場者と比較しても少なくなります。

 

さて、そこまで検討が進んでいる来場者に対して、訪問リストにも入っていない状態の出展者が簡単に割り込めるものでしょうか。余程来場者の琴線に触れないことには、土俵に上がることすらできないでしょう。このような来場者のなかでは既に検討レースはスタートしており、あなたは出遅れています

 

また、一人の来場者のなかでも「差し迫った課題」と「優先順位の低い課題」が併存していることはごくごく当たり前にあり得ます。Aの課題についてはアタリをつけていた3社からじっくり話を聞こう、Bの課題については取り敢えず訪問リストに入れていた10社から資料だけもらって帰ろう、残りの時間は会社に報告書を上げないといけないから、10社ほど会場で適当に見繕おう。あなたのブースがAの課題に該当するケースもあれば、Bの課題に該当するケースもあります。

 

このように複数の課題検討段階にあることが想定される顧客に対して、どのようにアプローチすればよいのか。

 

実は、来場者に対して打ち出すメッセージを詳細に構築すれば、顧客のなかであなたの商材・サービスがAの課題であったとしても、Bの課題であったとしても、強い興味を生み出すことは可能になります。

 

現に、展示会場を見て歩くと、どちらのタイプの顧客であっても刺さるメッセージを組み上げている出展者は少数ながら存在しています

 

だが、実際の展示会場では「課題が顕在化していない」来場者に対する語り掛けているブースは少なく、顧客が課題を認識している」ことを前提に構築されたメッセージを発信しているブースが多いです。このようなメッセージを、そもそも課題を認識していない・あるいは課題の重要性を感じていない来場者が見ても、自社の検討段階からは前に進み過ぎたメッセージになってしまっているためピンときません。結果、来場者にはピンと来ずにブースに立ち寄ってはもらえません。

 

だから、逆に「課題が顕在化していない来場者に対するメッセージ」を適切に打ち出すことのできているブースは周辺の競合ブースと比較しても一人勝ちとも言える集客を獲得しているケースもあります。そして、いま現段階の展示会コミュニケーションにおいて、このようなメッセージを打ち出している出展者が少ないということは、あなたが一人勝ちできる可能性も未だに高いということです。これは何度でも繰り返しお伝えしておきたいポイント。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009090931p:plain

 

④複数の出展者から、あなたのブースを選択する理由を提示できていない

 

来場者がブースに入るかどうかの判断は、自社ブースと来場者の2者の関係だけのようなイメージで考えてしまいがちだが、実際にはそうではありません。来場者は展示会場を歩いているときに、四方八方から常に情報が目に入ってくる状態であり、そのすべての情報に対して「興味を向ける、向けない」の判断を断続的に繰り返しています。

 

来場者が自社ブースの前を通っているときには自社ブースの情報だけを見ているように感じるかもしれませんが、実は「ほんの少し前」に通った他社ブースの「似たような製品・サービスについてのキャッチコピー」も思い出しています。そして、この短期的な記憶を比較しながら、どのブースに入ろうかと逡巡しています。

 

例えば、時間があまりない来場者がいるとしましょう。この来場者は、とある2つのブースのうち、どちらかにしか立ち寄る時間がないという状況です。さて、以下のケースの場合どちらのブースに立ち寄りたいと思うでしょう?

 

f:id:tenjikaibooth:20191009091117p:plain

 

答えは言うまでもなく、自身の課題に的確に答えてくれているブース、つまり課題が具体的に提示されているブースに立ち寄ろうと考えるはず。このブースの方が「立ち寄る理由」が強いからです。

 

多くの出展者は「ブースへの入りやすさ」を作り出そうとしますが、「ブースに立ち寄る理由」を作り出そうとはしていません。

 

さて、立ち寄る理由が提示されていないブースが展示会場に多いということは来場者に何が起こるか。実際にブースに入ってみないと自分に関連する商材・サービスか分からない出展者ばかりに囲まれているのです。一見、自分に関係ありそうだとブースに入ってはみるものの、詳しく説明を聞くと自分が求めているものではなかった、こんな体験が増えてしまいます。

 

あなたのブースでも、こんな来場者の行動を見かけないでしょうか?

ブースに入っては来てくれるものの、説明をはじめたりパネルを少し見るだけで「ちょっと違うなぁ」と来場者が去ってしまう。このような行動を取っている来場者が多い場合、そもそも適切なターゲットにメッセージが届いていないと考えるべきでしょう

 

以下の図を見てもらうとイメージしてもらいやすいです。通路から見えるキャッチコピーやパネルから感じるイメージの範疇が広すぎると、実際に自社が対応できる領域はその一部分であることも多いです。ついつい大げさに表現してしまいたくなるのは人情だが、顧客がもとめているソリューションは自社の対応できる範囲とは異なっています。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009091327p:plain

 

メッセージとして打ち出している範囲、自分たちが対応できるソリューション、顧客の求めるソリューション、この三者すべてがズレている。これでは出会うべき顧客と出会える可能性はどうしても下がってしまいます。

  

「まだまだ客」を接客し、「いますぐ客」を取り逃す

 

ここまでで、疑念を感じる方もいるでしょう。

 

「たくさん集客して、そのなかから自社の顧客になり得る来場者と出会うことができればいいんじゃないの?」と。集客の母数が増えれば、そのなかにいるはずのAランク顧客と出会える可能性も高まるはずだから・・・と。しかし、この考え方は展示会では上手く機能しないことが多いのです。

 

「まだまだ客」であったとしてもリードとして収集することに価値がある?、適切なマーケティング施策を採っておけば取引に繋がる可能性もある?、確かに「まだまだ客」であったとしても成果に結びつく可能性は否定しません。ですが、この「まだまだ客」を集め過ぎてしまったがためにブースでは「いますぐ客」になるはずだった来場者を接客できない、という事態が起こり得ます。

 

f:id:tenjikaibooth:20191009091442p:plain

 

展示会ブース運営は接客のリソースが存在します。

 

ここはホームページなどの施策とまったく異なる部分です。ホームページは幾らたくさん集客しようがサーバーが落ちない限りその全てに対応していると言えます。一方展示会ブースではスタッフの人数を超える接客はできないし、接客できなかった来場者の名刺は基本的に獲得できません。接客しなくても名刺情報を収集する方法はあるが、接客を伴わないリードの収集は後の成果に繋がりにくいでしょう。展示会は来場者をリードとして獲得すること+スタッフによる接客を組み合わせないと意味が薄い

 

例えば、「まだまだ客」を接客してスタッフが埋まっているところに「いますぐ客」が来てくれたとしましょう。「いますぐ客」はブース展示に興味があるようだが、結局スタッフが埋まっていたためカタログだけ手に取って去ってしまいました。この「いますぐ客」自身は「会社に戻ってから資料をチェックして、興味があれば問い合わせてみよう」ぐらいのことはブースを去る段階で考えているかもしれません。

 

しかし、このような来場者から実際に問い合わせに繋がるケースはごく少数でしょう。来場者が持ち帰る資料の多さをイメージしてください。もしこの来場者が30社のブースをまわっていた場合、当然持ち帰った資料も30社分になります。そして、基本的には接客を受けたブースの中から優先順位の高いものから処理していきます。そのほかのものは資料の山に埋もれるか、下手するとゴミ箱行きです。名刺交換していない相手の資料ほど捨てやすいものはありません。

 

f:id:tenjikaibooth:20190902111550p:plain
 

輪を掛けて事態は悪化します。「いますぐ客」の名刺を獲得していないということは、あなたから「いますぐ客に」コンタクトを取る手段は存在しません。せっかく「いますぐ客」になり得る来場者だったのに、「まだまだ客」ばかり接客していたがために、みすみす「いますぐ客」にアプローチする経路もチャンスを逃してしまったのです。

 

このようなシーンを、実際の展示会場で来場者の行動を観察していると頻繁に見かけます。ブースに入ったものの、接客スタッフが埋まっているために資料だけ持ち帰る。表情なども観察していると、どうもスタッフに聞きたいことがありそうで接客している人の方をチラチラと見ていたりするが、結局は長居せずにブースから立ち去ってしまう。来場者には「自分が話しかけてきてほしいタイミング」があるのです

 

たしかに、多くの来場者が魅力を感じるようなアプローチを組むことは成果に繋がることもあります。しかし、それは自社の接客リソースが集客に見合う状況である場合のみです。下手な集客は良質な顧客を逃すことに繋がりかねません。よって、どのような「来場者と出会いたいのか」というターゲットを明確にしたアプローチが重要です。

 

展示会場全体を見回しても、来場者にとって「立ち寄る理由がある」と言えるブースは少数派です。立ち寄る理由を提示できているブースが少ないのであれば、あなたが言葉を磨き・来場者に対して適切に提示するだけで、「いますぐ客」を多く集めるブースになることができる可能性も高いのです。

 

 

キャッチコピーを大切にした先に起こる未来

 

展示会ブースで打ち出す言葉の精度が至らなかったが故に、せっかく出会えていたはずの顧客がブースを素通りしているとすれば、これほど勿体ないことはありません。

 

この実践は費用対効果がとにかく高い。メッセージを組み立てるのは、あなたの頭脳と、目の前のノート、あるいは当サイトが提供するフレームワークで完結するのだから。装飾のように大きな予算がかかる、印刷物やコンテンツのように制作費がかかるということもありません。

 

今すぐにメッセージについて考える意義は他にもある。「この来場者はこんな課題を抱えているかなぁ」「だったら、こんな言葉が刺さるんじゃないかなぁ」と考えを深めていく。そして、展示会場で実践と検証のPDCAをまわす。現場での検証を何度も繰り返すことで、言葉を組み立てる精度は向上していきます。

 

すると、いつか周りの出展者がメッセージの重要性に気付いたあとでも、既にあなたのなかには来場者に真に突き刺さる言葉を組み立てるためのノウハウが蓄積されている。これは大きな差として展示会ブースの成果に現れる。

 

だから、キャッチコピーを磨き上げることは、今すぐにでも行うべきことなのだ。展示会までの期間が長くとも短くとも関係はない。そこに費やした時間の量と、適切な検討方向が掛け合わさったとき、あなたのブースは来場者を惹きつけてやまない空間になります。

 

だからこそ、キャッチコピーづくりを大切にして、誰よりも抜きんでるブースを作り上げてほしいのです。

 

絶対に展示会で成果を挙げたい人のための「刺さるキャッチコピー」を作る方法(フレームワーク付き)|たけうちのぶお|note 

プライバシーポリシー・利用規約・免責事項

Copyright © 2018 展示会の強化書 All rights reserved.