展示会の強化書

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展示会ブース出展の費用対効果③【売上見込はブース計画に影響する】

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前回までの記事で費用対効果を算出する基準、その妥当性の判別方法について考えてきた。

www.tenjikaibooth.net

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ここから先は、それらの情報が展示会ブースの計画とどのように連動するのか考えていきたい。費用対効果に関連する数値、つまるところ売上見込とブースの計画は密接に関連し合う。

 

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費用対効果の妥当性判定に関連する数値として平均売価とCVRを獲得リードのランクごとに設定する方法を前回の記事で紹介した。これらの数値は展示会のに仮説設定する数値だ。展示会前に仮説を立てる理由は、目標数値を算出し、その目標を達成し得る展示会ブースの計画を立案するためだ。

 

費用対効果の関連式を仮説設定しておけば、根拠ある目標数値が見出せる

 

もう一度、ここで費用対効果の妥当性を判断するための数式をおさらいしよう。

 

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当然、展示会に向けてはある程度の予算枠を固めるだろう。予算が決まれば、そこに対応する売上合計の目標数値も見えてくる。最低限投資をペイできるだけの売上を目標にするか、期待値として「これだけの数値はあげたい」という目標をたてるか、ここは各々の実情に合わせて設定いただければよい。

 

売上の合計が見えてくると、各ランクのリードを展示会で何件獲得しないといけないのかが見えてくる。あくまでもAランクの収集を第一目標として目指すのではあるが、過去の展示会出展経験があればある程度はランクごとの構成比も見えるはずなので、獲得リード総数に対する各ランクの構成を事前に定めておくと目標設定しやすいだろう。もちろん、この段階は「目標設定」に該当するため過去の出展実績よりは成果が向上した状態を目指しての目標設定をオススメしたい。

 

そうして導き出されたリードの目標数は展示会のブース計画に大きく影響する。

 

目標設定とブース計画の整合性を取る

 

目標を設定したら、その目標を達成できるようなブース計画をつくらなければいけない。目標が到底達成できないようなブース計画を作ってしまっては展示会に出展する意味はない、逆に到底到達できない目標を最初に掲げてしまっても関係者のモチベーションを削いでしまう。目標と計画には整合性が必要だ

 

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そのリード獲得目標に必要な運営体制や要件は何か

 

サンプルケースで考えてみよう。最終的な売上目標を達成するためには、今回の展示会出展でリード獲得総数が300件必要だとする。このとき、ブースに立つスタッフのポジション1つにつき1日あたりに接客し獲得できるリードの平均は20件だとしよう。展示会の会期は3日間だ。ということはポジション1つにつき展示会会期で60件のリードが獲得できる計算になる。

 

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ポジションとは、常に誰かしらその担当場所に人がいる状態ということだ。展示会ブースに立つスタッフは1日中ブースに立つわけではない。当然休憩が必要になる。2ポジションを3名、3ポジションを4名ぐらいでまわすのが、無理のない回し方だろう。

 

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60件のリードが1ポジションで確保できるのであれば、300件のリードを集めるのに必要なポジションは5ポジションだ。ブースのレイアウト・各コーナーの設計は5ポジションが同時に接客したとしても成立するようなレイアウトであることが必要となる

 

しかも、この5ポジションは接客専業となるためサポート役としてもう1ポジションあった方がよい。つまり、このブースには6ポジションが必要となる。6ポジションを円滑にまわそうと思うと8~9名のスタッフが常時必要になるということだ。

 

このブースの適正サイズは1小間が3m×3mであれば、おそらく4小間36㎡程度のブースサイズであることが想像できる。これが2小間で3m×6m=18㎡しか無いと、狭い面積のなかにスタッフが常時6名ひしめく圧迫感あるブースになってしまい、来場者はブースに足を踏み入れることを躊躇するだろう。

 

集客目標数、コンテンツの配置、スタッフ人員数、ブースの面積、ブースを構成する各種の要素は相互に関連し合う。整合性がどこかで取れていないと集客には繋がらなくなってしまったり、目標が達成できなくなったりする。美しいブースとは、これらの計画と実行の整合性が取られているブースであると考える。

 

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繰り返しになるが、費用対効果の算出に関連するCVRと平均売価を設定すると展示会ブースで収集するリードの目標が設定できる。リードの目標が設定できると、獲得を実現するための計画を検討できる。しかし、もし現実のブース計画に対して余りにも整合性が取れない目標であるならば、そもそも目標そのものを見直すことが必要になる場合もある

 

このように費用対効果の関連数値、リードの獲得目標、ブースの計画は、全てが地続きになって関連性を持つ。どこかに根拠のない数値や計画が入ってくると、途端に全体の整合性を失ってしまう。それぞれの関連性を慎重に取り扱いながら、整合性を損なわないように計画を進めることが肝心だ。

 

おわりに

 

展示会ブースの計画は費用対効果の関連数値とも相互に影響し合うことがご理解いただけただろうか。そもそも費用対効果の関連数値とは目標数値に強く関連する要素だ。目標数値とはそのままブースの計画に影響する。

 

しかし実際の展示会場では、目標数値とブースの計画の連動性が損なわれたブースが余りにも多い。目標と計画が一致していないブースなど成果が出るわけはないし、よしんば成果が出たとしても次回以降に活かせる検証はできない。仮説を根拠に基づいて立て、関連する事項の整合性を取るなかで魅力的な場に仕上げていくから成果が上がるのだ。

 

展示会ブースづくりとはデザインという曖昧な概念を元にしていると思われがちだが、常に数的な根拠を持って整合性を取る、ある種の科学であり数学であると言える。この点を忘れてしまうと突飛な計画や目標により展示会ブースの成果は適切に上がらなくなってしまうことを留意しておこう。

 

 

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