展示会の強化書

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展示会ブース内のレイアウトは【検討プロセス】の工夫が超重要

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展示会ブースのレイアウトについて考える記事その2。前回は「ブース外」のレイアウトから受ける影響について考えだが、今回は「ブース内」のレイアウトについて。コッチの方が聞きたかった、という方も多いのでは。

 

ブース内のレイアウトづくりについてよく聞く疑問点は以下のようなものがある。

  • どうレイアウトをつくれば来場者がブースに入ってくるの?
  • 装飾会社にどう依頼すれば、効果的なレイアウトができあがるの?
  • デザインのプロに依頼しているはずなのに、実際に使うとイマイチなレイアウトになることがあるのはなぜ?

 

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ネットや書籍を調べれば「展示会ブースのレイアウトはこうすればよい」というノウハウもそれなりに見つかる。しかし、これらのノウハウは「レイアウトを検討するプロセス」に問題があると、いくら参考にしても適切に反映ができないもの。

 

そんな、意外と気付かれていない【レイアウト検討プロセス】に潜む落とし穴について考えてみたい。

 

 

 

レイアウトづくり、どうやって進めている?

 

展示会に出展する際にブース装飾会社にデザインと施工を依頼するのであれば、基本的にレイアウトは装飾会社側が図面を制作する。

 

①素案をある程度出展者側で考える場合②コンテンツだけ出展者側でボリュームと内容を決めてあとは装飾会社にお任せ、このような2パターンがあるが、装飾物を制作するための図面として仕上げるのは装飾会社側の作業となる。

 

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そして、①出展者側である程度素案を考えるパターン②装飾会社の提案に委ねる場合、どちらにも問題が起こりやすいポイントがある。

 

よくある問題点:出展者側でレイアウトの素案を作成する場合

 Excel等の出展者が普段使っているソフトウェアを使って、こんなレイアウトにしたいんだけど・・・という依頼を受けるパターンがある。

 

このとき、陥りがちな課題はギチギチの余裕がない寸法で考えてしまいがちという点だ。余っているスペースは許さないとばかりに、端から端までコンテンツで埋め尽くされたレイアウトがよく上がってくる。

 

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ゆとりのないレイアウトは、それだけで人が入りづらい圧迫感を生み出してしまうだけでなく、壁面の厚みや上部の看板を支える柱の概念などが抜け落ちているため、細かく実際の図面に落とし込んでいくと成立しないことすらある。

 

よくある問題点:装飾会社側の提案に委ねる場合

例えば展示台のサイズや台数、パネルの枚数、モニターの有無、展示物の設置条件など、オリエンテーションの段階でブース内のコンテンツがある程度は決まっている場合、これらの情報をデザイナーに渡すとデザインへの落とし込みが早くなる。

 

が、この進め方が展示会業界では最も一般的でありながら、最も問題が起こりやすく、しかも起こっている問題に気付きにくい進め方だ。

 

図面上は成立しているような気がするのに、実際には使いづらいレイアウトになっていた、という状況は身に覚えがないだろうか?、このような事態が起こるのはレイアウトづくりのプロセスと装飾会社の考え方のクセが原因であるケースが多いのだ。

 

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具体的にどんな問題なのかは次の項目で触れよう。しかし、原因がわかっていれば対策は打てるものだ。それも、出展者側・装飾会社側、双方からのアプローチが可能なので、あなたがどちらかの立場に属しているなら、しっかり読んでいただくことをオススメする。

 

展示会ブースのレイアウトをつくるプロセスで発生する問題点

 

展示会ブースのデザインを装飾会社に依頼した際の一般的なプロセスを整理してみよう。

 

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なにを当たり前のことをわざわざ図表にまでしているのか・・・?、と思われるかもしれないが、ここで意識してほしいのは①「検討」の段階で装飾会社が重視しがちなことと、②「提案」の段階で何が出てくるかだ

 

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オリエンテーションでは【与件】として、ブースのコンテンツに関わるボリューム感が示される(サイズ・見せ方・重要度など)。

 

装飾会社は与件をふまえて企画を検討していき、提案の段階ではブースの平面図、立面図、イメージパース、そして企画の骨子がまとまった企画書や、場合によってはグラフィックや映像提案も合わせて出てくる場合もあるだろう。

 

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このプロセスにおいて、多くの場合【与件】は【前提】として扱われる。これまた何を当たり前のことを言っているのか・・・と思ってしまうかもしれない。

 

ここで覚えておいてほしいことは、【前提】というニュアンスが強すぎる状態で捉えられるということに問題があることだ。【前提】というニュアンスが強すぎると何が起こるのだろう。

 

例えば、ブース内のコンテンツが、展示台を5台、パネルを10枚、モニターを2台設置すると与件として提示したケースがあるとしよう。この場合、デザイン側は与件として提示されたパネルの枚数、展示台の台数、展示物のボリュームといったコンテンツは、仮に変更することが可能なものがあったとしても多くの場合はそのままのボリュームでレイアウトに落とし込むことが多い。

 

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レイアウトに落とし込まれたものを見てみると、確かに与件として提示していたボリュームはレイアウトのなかにハマっているので一見成立しているように思えるのだが、実際に展示会場に行くと使いづらかったり、来場者が入ってこなかったり、適切な誘導ができなかったりといった問題が起こることが往々にしてある。

 

そして、来場者の行動を軸に考えると、実は必ずしも展示台5台、パネル10枚である必要は無かった、いくらでも調整できたはずなのに・・・という状況が多いというケースがある。

 

実際のブース運営で「このパネルと展示台いらなかったな・・・このスペースが無かったら来場者がもっと入りやすかったのに」と思ったようなケースはないだろうか?、来場者の行動を軸にコンテンツを設計できていないと、こんな問題が起こるのだ。

 

本来は「来場者の行動に沿った最適なコンテンツとレイアウトを用意する」ことが優先であるはずなのに、装飾会社側の発想としては「与件として提示されたコンテンツをレイアウトにハメる」ことが優先されてしまいがちだ。

 

コンテンツの内容やボリュームに検討の余地があったとしても、そこに踏み込んで調整するという発想を持った会社は少ないように感じる。

 

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装飾会社にとって【与件】とはパズルのピースのようなモノと言える。ハメることを優先して考えるため、コンテンツは本来可変性があるのに前提条件として扱ってしまう。パズルではなく、人間の行動を構成できる「コミュニケーションデザイナー」である人はかなり少数派だろう。

 

課題をクリアするためのレイアウト検討プロセス

 

さて、課題がわかったなら解決策を考えることが健全だろう。

 

レイアウトとコンテンツは相互に影響する。よって、レイアウト検討の段階は「来場者」の行動を検討の中心に置きながら、同時並行的にレイアウトとコンテンツの検討を行きつ戻りつをしながら進めることが最適なブース構築につながる。

イメージの検討に進むのは、レイアウトとコンテンツの間に一定の整合性が生まれてからでも遅くはない。

 

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このように、レイアウトに落とし込んだ段階で、来場者の行動を想定し、与件として提示したコンテンツのボリュームや中身は適切なのかということを考える。このとき、ブース周辺の状況と運営側の行動も想定すると、より正確なレイアウトを作ることができる。

 

レイアウトの検討段階でコンテンツの中身が具体的になっていないケースも多いだろう。しかし、最低限「何を伝えるか」という目的は具体的に決めておく必要がある。どう伝えるかという「デザイン」の部分は後でもよい。

 

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この「何を伝えるか」というコンテンツの目的は出展者側で検討することが多い。対して「どう伝えるか」にあたるレイアウト・コンテンツのデザインは装飾会社側で検討することが多い。つまり、この段階に整合性を持たせるためにはレイアウトとコンテンツを行きつ戻りつしながら出展者とデザイン側でバトンパスを繰り返して検討を進める必要がある。

 

もう一度、通常の企画の進め方と、どう違うかを見てみよう。

 

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通常の進め方では、オリエンテーションからレイアウト・イメージ等の提案までは一直線だ。この進め方ではレイアウトとコンテンツの整合性が取られていない場合が多く、整合性が取られていない段階のイメージもまた、ブース体験との整合性は取られていない。

 

であれば、イメージの検討に進む前段階でレイアウトとコンテンツの整合性をデザイン側と出展者で相互に検証し合い、一定の合意を得たのちに次のステップに進むことが適切だろう。もちろん、次のステップに進んだ後にもレイアウトやコンテンツを修正する必要は出てくる。しかし「何を伝えるか」という目的をブラさなければ大きな手術にはならないはずだ。

 

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当然、こういった進め方をしていると時間がかかる。しかし、このサイクルを何回か繰り返すことでレイアウトとコンテンツに整合性が生まれ、展示会場に落とし込んだときに「来場者の適切な行動」を誘導するレイアウトができあがるのだ。適切な行動を誘導できるということは、自社の魅力が伝わりやすくなるということに他ならない。

 

逆にイメージまで作り込んでから、来場者の行動に沿った整合性を考え出すと結局は余計に修正の時間を要する。そのうえ、イメージを見てしまってそれが社内で良いと受け取られてしまうと、修正自体が難しくなる空気になることもある。そうなると、コンテンツとレイアウトの整合性を取ることができない場合もあるだろう。

 

装飾コンペを行ったときに、このような事態が起こることがある。後日また別の記事で触れますが、装飾コンペはタダで複数社の提案をもらえる良い面だけでなく、コンペという特性上起こるリスクもあるのだ。

  

レイアウトづくりの時間短縮・効率を高めるコツ

 

レイアウトとコンテンツを行きつ戻りつする進め方のは時間がかかる、しかし、その検討スピードを加速させる・効果的に進めるための具体的な方法も幾つか存在する。

 

オリエンテーションで時間をかけてすり合わせる

優れた装飾会社の営業担当・ディレクターや、コミュニケーションを起点にできるデザイナーであれば、オリエンテーションでじっくり時間をかけて打合せをすれば、その場で精度の高いプロトタイプを作ることができるだろう。

 

打合せ中に手描きでイメージをサっとつくる人に当たったことないだろうか?、コレが正確な寸法に近い状態で描ける人は優秀だ。その場でレイアウトを検討できれば、コンテンツの役割についてもその場で協議ができるので無駄な時間が発生しない。

 

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初見の装飾会社だと、このあたりまで出来るかは分からないが、コミュニケーションを重ねてここまでできることが分かっている場合には、敢えて装飾会社に持ち帰って検討してもらうよりもオリエンテーションの時間を長時間確保して、その場で協議する方がスムーズだろう。

 

打合せに「方眼紙」のノートを持ってきて、正確な寸法に近いレイアウトを描こうとする人ということが一つの判断基準と言える。逆にイメージ先行で正確性を欠いたラフスケッチを先に描くタイプのデザイナーの場合には、何度もやり取りをするように注意した方がよい。

 

平面図に人物をプロットする。

これは、来場者の視点を取り入れたレイアウト設計をするために、デザイナーがすべきちょっとした工夫だ。

 

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立面図には人物がプロットされている場合が多いのに、意外と平面図に人物をプロットするデザイナーは少ない、不思議だ・・・

 

平面図に人物を落とし込むと、途端に人物目線での検討ができるようになる。おそらくは図面上に人物が存在することで「その人の目線」を意識することができるからだろう。寸法だけだと気付かなかった矛盾や成立しない箇所に気付くことができる、逆に人物の落とし込まれていない図面では「実際にどう使うか」はイメージできないものだ。

 

非常にカンタンな方法なので、今まで平面図に人物をプロットしていなかったデザイナーはぜひ今日から実践していただきたい。出展者側も装飾会社へ図面に人物を落とし込むよう依頼してみるとよい。そうすることで図面が一歩リアルに感じられるようになり、来場者視点での設計を進めやすくなる。

 

会議室など広い空間を使ったプロトタイプ実験

ただ、やはりイメージはイメージの範疇を出ない。実際に3mがどの程度の広さなのか、2.7mの壁面がどの程度の高さなのかは、現物を見ないとわからないものだ。

 

そこで、レイアウト案があがってきたタイミングで、会議室や倉庫・工場内のスペースなどの空間を活用して実際の寸法を検証することをオススメする。

 

当然、実際の装飾と同じ環境を用意することはできないが、レイアウトや展示の位置・距離感や雰囲気は確認することができる。例えば、床にビニールテープを貼る、会議テーブルなどを展示台に見立てる、パーテーションを壁面として使ってみるなど、自分たちが持っているツールで図面に近い状況を作っていただきたい。これは接客のロープレにも活用できる。

 

自社内にスペースが無ければ公園にメジャーを持ち込んで線を引くだけでもよい、工夫次第でいくらでも検証は可能になる。検証方法が現実に近づけば近づくほど、リアルなコミュニケーションが想定でき、適切な修正や制作推進に繋がるのだから。

 

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展示会ブースのレイアウトで押さえておきたいポイント×3点

 

ここからは、展示会ブース装飾に関するノウハウを扱っているWEBサイトや書籍で言われていることと似たようなテーマではあるが、場づくりのうえで意識しておきたいポイントについても触れておこう。大きくわけると3点のコツがある。

 

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警戒心を抱かせない

展示会ブースの集客には来場者の欲求を掻き立てることが第一だが、同時に警戒心を高めないことも重要だ。警戒心が高まると、来場者の欲求を高めていたとしてもブースに入ってきてもらえる可能性は落ちてしまう。そして、レイアウトの組み方は来場者の警戒心に対しても作用する。

 

来場者の警戒心を考えるにあたってイメージしてほしいのは、ブースの各コンテンツやレイアウトによる離脱の自由度だ。来場者にとって「離脱の自由度」が低いブースやコンテンツは来場者の警戒心が高まってしまう。

 

離脱の自由度とは「来場者が自分の意志でいつでもその場を離れられるかどうか」ということと受け取ってもらえればよい。離脱の自由度が低いということは、来場者が自分の意志ではその場を離れにくい状態と言える。

 

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レイアウトのうち来場者の警戒心に大きく影響を及ぼす要素は、「間口の広さ」と「複数方向への出入口が存在するか」だ。ブースに入る間口は広くとり、複数方向から出られるようにしておくと、離脱の自由度が高く感じられるので来場者が入りやすいブースになるだろう。

 

逆に、来場者が入りにくい、あるいは一度入ると簡単に出られなさそうという印象のブースは来場者の警戒心も高まってしまう。

 

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来場者にとって出展者は自分という草食動物を狩りに来たハンターのように見えている。ブース自体が一度入ったら出られないような罠のように感じてしまうと、キャッチコピー等で興味を引いても立ち去ってしまう可能性が高まるので注意を払う必要がある。

 

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間口の広さは「実際の距離」よりも「ブースの幅に対する比率」の方が印象としては強い。最低限、通路に面する幅の半分ぐらいは開放されている状態を目指すとよいだろう。来場者が「いつでも出ていける」と感じると、安心してブースに入ってきてもらえるだろう

 

【後押し】ポイントをつくる

キャッチコピーなどで来場者の課題解決に対して欲求を掻き立てたあと、その状態でもブースに足を踏み入れてくれる可能性は高まっているのだががもう一歩、さらに「後押し」の要素があるとより効果的だ。

 

「後押し」はキャッチコピーを見て足を止めた来場者をブースに近づかせ、そのままブース内に誘導するためのツールだ。来場者が近づく・見る・触ることができるモノが代表的なもので、例えば展示サンプルやパネルなども後押しツールに該当する。

 

居酒屋にフラりと入るときの心理で例えてみよう。

居酒屋の看板・店の外観が展示会におけるキャッチコピーに該当する。店の雰囲気を見て「あ、ここイイなぁ、ちょっと飲んで帰ろうかな」と欲求が高まっている状態にあるとしよう。この状態でも店に入ってくれるかもしれないが、店先に「本日限定、19:00までハッピーアワーでビール1杯100円」といった看板があると、さらに入りやすいと思わないだろうか?、これが「後押し」だ。

 

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言い方が少し変になるかもしれないが、「後押し」は「言い訳」として機能するモノだ。「だってビール1杯100円だったんだよ!、こんなチャンス今日だけじゃん!」という言い訳として機能するのモノである。展示会に置き換えると、ついついコレを見てしまったから、そのままブース内に入ってしまった・・・というモノなら理想的だ。

 

「後押し」は何を置くかという中身よりも設置する位置が重要で、そのツールを見ているとそのままブース内に足を踏み入れてしまうようなレイアウトに設置すると効果的だ。

 

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この図のように、「後押し」を見たあと自然にブース内に誘導できるレイアウトに設置するとよいだろう。

 

来場者行動・運営行動との連動性

来場者視点で設計する重要性について殊更強調してるが、もう一点大切な視点がある。それはブース運営に関連するスタッフ側の行動だ

 

例えば、運営上チラシの配布枚数・補充回数が多いのにチラシの保管場所と配布位置に距離があると、来場者の動線とカチ合ったり、行き来に何度もロスが生じてしまうという問題が起こる。来場者の少ない時間帯であれば特に問題はないかもしれないが、会期最終日などの多くの来場者で賑わうタイミングでは出来る限りロスは減らしたい。

 

ブース運営に関連する行動を解体すると、実はそれほど多くの種類の運営行動があるわけではない。そのなかでも特に頻度・重要度の高い運営行動を箇条書きで書き出しておくと、その運営行動が適切に取れる・来場者を邪魔しないレイアウト設計が可能になり、本番の運営がスムーズになる。

 

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レイアウトづくりでよく出るテーマについての疑問

 

レイアウト検討を進めるプロセスで、よく出てくる2つのテーマについて考えを深めてみよう。「回遊性」と「インフォメーションカウンター」、よく聞かないだろうか?、やや余談じみているが、コレもレイアウト設計と関連してよく問題を起こしているが問題が起こっていることに気付きにくいテーマなのでしっかり押さえておきたい。

 

回遊性っていったい何?

装飾会社からの提案資料によく出てくるキーワード「回遊性」。ブース内の複数コーナーを来場者が見て回りやすいようにレイアウトを設計すること・・・ぐらいのニュアンスで使っている装飾会社が多いだろう。

 

しかし、「このレイアウトは回遊性があります」という装飾会社の提案のなかには「本当にコレで回遊性が確保できているのか!?」というモノもある。どうもレイアウトだけで「回遊性」が実現できると思っているような・・・そもそも、回遊性とはレイアウトだけで作られるものではなく、コンテンツとの連動性が必要なモノだ。

 

コーナーAを見て、そのあとコーナーBを見てもらうためにはコーナーAの時点でコーナーBに繋がる「小さな動機付け」が必要だ。でなければ、次のコーナーを見る理由が来場者には無い

 

動機付けがあったうえで、次のコーナーが見やすい・辿り着きやすいレイアウトになっているから回遊性が生まれるの。例えば、来場者にコーナーAで疑問感を抱かせ、その回答を次のコーナーBで誘導するという手法を取り、両コーナーの位置関係が来場者から見やすい、あるいは辿り着きやすいレイアウトを設計できていれば、そこに回遊性は生まれているだろう。

 

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【回遊性確保のための役割】

レイアウト・・・次のコンテンツが自然と目に入る、辿り着きやすいレイアウト構成

コンテンツ・・・次のコンテンツに誘導する「疑問提示(小さな動機付け)」と「回答の提示」の連続性

 

インフォメーションカウンターは必要なのか?

ブース内にインフォメーションカウンターを設置している方はどれくらいいるだろう?、私は基本的にナシを前提に考えた方がよいというスタンスに立っている。

 

「いやいや、ウチはインフォメーション必要だよ」という場合によく聞くのが、「インフォメーションカウンターに資料をもらいに来るお客さんが多い」という声だ。確かに展示会を見ているとインフォメーションカウンターを訪れて資料だけもらって帰るという来場者も一定数見受けられる。

 

ここで少し考えてもらいたいのだが、インフォメーションカウンターに直接来るお客さんの受注率はどの程度だろう?、来場者のなかには情報収集のための情報収集を行いに展示会場に来ている方もいる。報告書のための情報収集と言ってもよいかもしれない。

 

もし、このようなインフォメーションカウンターに直接資料を取りに来る来場者の実際の受注率が低いのであれば、そもそもインフォメーションカウンターは不要だろう。通常、インフォメーションカウンターを設置するような位置はブースのなかでも良い場所であることが多く、コンテンツを置く方が効果的であるケースも相当数あるからだ。インフォメーションを設置するぐらいなら、コンテンツを設置する方が費用対効果が高まるのにな・・・というブースは多く展示会場で見つけることができる。

 

あるいは運営の拠点として活用するということもあるだろう。例えばチラシを置いたり、集めた名刺・アンケートを収集するための拠点としてインフォメーションカウンターを利用している場合も多い。ここでも考えていただきたいことがあり、その機能はインフォメーションカウンターの位置でないと出来ないことか?、ということだ。

 

インフォメーションカウンターは設置すると位置が固定になってしまう。ブース内でも来場者に対して効果的なコミュニケーションが取れる位置にあるのに、そこにコンテンツを設置せず、運営機能としてのインフォメーションをレイアウトする必然性はない。例えばマルチワゴンのようなレンタル品で機能を代用できるのであれば、ブース内のどこかにおいておけばよいだけだ。

 

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逆に、インフォメーションカウンターがあった方がよいブースは以下のようなものが考えられる。

  • クローズ型商談が中心のブース
  • アポイント客の対応がほとんどのブース
  • VIPのアテンド拠点としてオペレーションが確立されているブース

 

完全にインフォメーションの設置に否定的なわけではなく、ブースのコミュニケーションによっては必須になる場合もあるが、特に意味の薄い用途として設置してしまっているケースもある。スペースの無駄遣いであることこの上ない。

 

前提として「インフォメーションカウンターは必要」という固定概念に捉われている場合も多いので、自社のインフォメーションの使い方を整理して他でも代替できる・意味が薄いという状況であれば無くす選択肢を検討するとよいだろう。

 

おわりに

 

レイアウトはコンテンツをパズルのようにブースに当てはめるのではなく、来場者の目線からに立ったレイアウトとコンテンツの整合性を確保した設計が必要だ。そして、このようなレイアウト作成には時間がかかる。しかし、時間をかけた方が結果的にロスが少なくなるということはお分かりいただけただろうか。

 

これまでに出展した展示会で、どうもレイアウト作りがうまくいかない・・・という経験がある場合には、レイアウトとコンテンツの検討を行き来する進め方を取ってみるとよい。ただ、装飾会社との一対一の関係だと、このような進め方が難しい場合もあるだろう。そんな心配がある場合には、アドバイザーを加えることを検討してみよう。アドバイザーが入ることで、「今必要な検討事項」を整理することができるようになる。

 

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