展示会の強化書

展示会ブースの企画・装飾・デザイン・運営など展示会にまつわるプロセスのノウハウ提供ナンバーワン!展示会の狙いを強化する「強化書」です。

展示会ブース出展を投資と捉えて企業経営に新たな風を吹かせる②

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前回の記事では、展示会ブース出展を投資と捉えて経営の最上流からブースづくりに関与する意味について考えてみた。

www.tenjikaibooth.net

 

今回は、経営の上流から関与するという点について、もう少し掘り下げてみたい。

 

 

 

 

展示会ブースをデザインするとは何をデザインすることか

 

展示会ブースづくりにおける「デザイン」とは、どこからどの範囲を指す言葉なのだろう。

 

一般的な展示会装飾会社やデザイナーであれば、空間をデザインすると答えるかもしれない。しかし、このサイトではこれまでにも、見た目だけのデザインではなくコミュニケーションのデザイン作り上げていくことが展示会ブースのデザインであると発信してきた。

 

来場者と出展者のコミュニケーションを空間・演出・接客などを通して、どのようにデザインしていくのかという考え方。これは、コミュニケーションのデザイン、あるいは展示会のUXデザインとも言えるだろう。

 

今回の記事では、さらにもう一段上流から考えてみたい。前回の記事では展示会出展は経営指針を現実の空間にカタチとして表現したものであることについての解説であったが、展示会ブースのデザインとは企業経営のデザインとも言えるということだ。

 

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経営の方向性を適切に現実の空間にコミュニケーションのあり方をふまえて落とし込む。それは「正しい展示会」と言えるものだ

 

正しい展示会をデザインする効果

主に2点の効果があると考えられる。

 

効果①【関係を築きたい相手に最短距離で近づく経路をデザインする】

正しい展示会は、正しい相手に正しいアプローチを誘導する。これは、自社が注力すべき相手を適切に選びとり、適切な方法で接触し、適切な方法で関係性を構築するということと言える。

 

効果②【社内の共通認識を強固にし、目的に向けた適切な行動をデザインする】

正しい展示会は、関係する社員に正しい認識を持たせることができる。経営指針が適切に現場・担当者に伝わっていないと、正しい展示会にはなり得ない。正しく伝わっているということは、行動に落とし込まれているとも言える。

 

何をもって「正しい」と判断するのか

ここで述べる「正しい展示会」とは、仮説と道筋を立てPDCAをまわすことができる展示会という意味でもある

 

展示会出展に際して、事前に立てた仮説やアプローチが結果間違っていたというケースも当然あるだろう。「正しさ」とは仮説の正確性ではなく、事後に検証できる仮説かどうかというポイントだ。

 

適切な仮説が立っていないと、実行した展示会のどこが正しかったのか間違っていたのかを検証することができない。展示会のPDCAをまわしていくにあたってはCheckの段階で検証できることが大切だ。そのためには、仮説設定の段階で検証の方法と基準を定めておくことが必要となる。

 

経営指針をデザインする展示会ブースには、誰の関与が必要か

展示会ブースのデザインが企業経営のデザインでもあると考えると、当然経営の最上流から展示会ブースづくりに関わりデザインを進めることが望ましい

 

もちろん、どこまで経営チームが関わるかはそれぞれの出展者の実情もあるだろうが、初期の仮説設定と効果の定義は経営指針との関係性が判断の重要材料になるので、経営チームの関与があることが望ましい

 

デザイン経営という考え方

 

少し話題が逸れるようだが、経営の最上流からデザインに関与するという点について、経済産業省から非常に影響力の大きな指針が指し示された。ご存知の方も多いだろう、今年の5月に打ち出されたデザイン経営宣言だ

 

デザインを活用した企業経営を実践することで、ブランド価値の形成、イノベーションを実現する原動力になるということが宣言の要旨である。

 

www.meti.go.jp

 

 デザイン経営の実践にあたってのポイントは2点、①経営チームにデザイン責任者がいること②事業戦略構築の最上流からデザインが関与するということだ。

 

また、デザイン経営を実践・投資することで、企業の利益・成長率・株価に対しても見合うリターンがあるということを各国の調査データをもとに宣言のなかで紹介している。何はともあれ、見たことがない方は一度宣言の中身などを読んでみることをオススメする。

 

この宣言は一つの契機になったはず。今後、このデザイン経営の分野についてはより実践と研究が進み、常識が置き換わっていく可能性を感じる。展示会の捉え方も、このデザイン経営の潮流に沿って捉えると、よりよい一貫性が生まれるだろう。

 

デザイン経営と展示会出展を連携させる効果については以下の記事で考察しているのでご一読いただきたい。

www.tenjikaibooth.net

 

 

中期経営計画に展示会出展計画を折り込んで、計画の実行を後押しする

 

経営活動そのものと展示会出展に強い関係性があることは見えてきた。しかし、もっと具体的に両者を連動させる方法はないのかと考えたときに、一つのアイデアではありますが、中期経営計画に展示会出展計画を折り込むという方法が考えられる。なぜなら、中期経営計画の実行と展示会出展は相性が良いからだ。

 

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もし、いまあなたの会社で中期経営計画を策定してはいるものの、いざ運用する段階になると・・・

  • 計画を作ることだけで疲弊してしまって実践に移らない
  • お題目的な捉え方をされてしまい現場に浸透しない
  • 実行レベルで振り返ったときに何も成されていない

という問題が発生してしまう・・・そんな状況にあるのであれば、展示会出展計画を中期経営計画に折り込むことは、特に有効ではないだろうか。

 

中期経営計画の運用にあたっての問題点として、数字・セグメント・概念だけ現場に丸投げされるだけで、そこに至るまでの道筋が明確に示されていない、ゴールに向かって各担当者やセクションがどのような行動を取るのかという点については、なかなか落とし込めていない。結果、計画は適切に推進されず、どっちらけになってしまうケースもあると聞く。

 

展示会ブース出展とは、企業として「この市場(セグメント)に」「こんな製品で」「こんな戦い方をしていきます」ということを宣言するような場でもある。展示会に出展すると、露骨にその時点での経営方針がアウトプットとして出るわけだ。

 

展示会への出展計画を中期経営計画に織り込むということは、「この時期にはこの展示会出展ができるぐらいのフェーズまで至ります」というコミットメントになる。そのコミットメントに基づけば、「いつまでに」「何をする」のかが実行計画として検討しやすくなるだろう。

 

数値目標とセグメント・市場分析などだけで計画を適切に推進できるのであれば問題ないのだろうが、なかなか難しいということもあるだろう。展示会の良い点は、計画を実現する途中段階でのわかりやすい折り返し地点になるということだ。

 

最終的なゴールを中心に概念だけが示されていて、具体的な方法論が見えない状態では不確実な未来に向かって突き進む不安感や何をしたらよいのか、何から手をつけてよいのかわからない焦燥を生んでしまう。展示会という一つのチェックポイントを設定することで、事業を進めるための方向性を考えていくことができるのだ。

 

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例えば、ある産業用機械メーカーが新たに食品製造分野に乗り出すことを5年スパンの中期経営計画に盛り込んだとしよう。5年後に向けてこの分野で立てたい売上の見込みも計画には落とし込まれているはず。その売上を挙げるためのセールスの期間を加味して、この分野の展示会として代表的な展示会であるFOOMAに3年後に出展しよう!ということを計画に折り込んでしまう。当然、その時期までにR&Dを進めておかなければいけない。では、次にいつまでに何をしないといけないのかということを、現場・担当者が行動レベルで考える契機になる。

 

展示会はイベントだ。ある意味お祭り的な側面を有する。展示会ブースづくりのプロセスをうまく活用すれば、日常業務とは異なる空気を社内にもらたし、関係者に一体感と共通認識を醸成することができる。ここでの共通認識とは経営指針に対する深い理解のことである。経営指針を深く理解し一体感を持つ、経営にとって非常にプラスに活用できそうではないだろうか。

 

もちろん、数年後にいま開催している展示会が同じような規模間で同じような時期に開催するかは分からない。しかし、展示会への出展計画まで中期経営計画に折り込むということは、経営チームの事業実現に対する強い意志を中期経営計画に反映することと言えるだろう

 

経営と展示会出展がもっと密接になると、未来が拡がる

 

ここからは個人的な妄想も入ってくるので読み飛ばしてもらって構わない。

 

もし、多くの企業がこのように中期経営計画と展示会を連動させるということを実践していけば、展示会という場が持つ意味がさらに拡張していくだろう。

 

例えば上場企業の株主に対する経過説明の場としての活用ができるかもしれない、中期経営計画はどのような進捗状況なのか、一般的なIR資料だけでなく展示会ブースでのアウトプットからも判断材料にしてもらうことだってできるだろう。

 

あるいは、展示会出展が投資を募る場として機能するかもしれない。R&Dのための費用、販路を拡大していくための費用、それは自社だけで賄われる経済の範疇を超える必要がある。銀行・金融機関からの貸付だけでなく、投資という参加の仕方を誘発する仕掛けになれば面白いだろう。大企業からのスピンアウトや大きな成長を目指すスタートアップが展示会に出展し、そこに投資家が集まれば一つのピッチの場として機能するか・・・とイメージすることもある

 

そんな姿は、もしかしたら既に実践されていて私が知らないだけかもしれないが、もっとこんな場が実現できれば展示会の可能性は今よりさらに広がっていくかもしれないな・・・と日々妄想しているのだ。

 

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