展示会の強化書

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展示会ブースにおける映像・動画活用術(どんな作り方をすれば効果があがる?)

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展示会で映像・動画を使う出展者は昔よりも多くなっている印象だ。映像そのものが昔よりもカンタンに作れるようになったからかもしれない。

 

展示会ブースで映像・ムービーを使おうと思うとそれなりに手間や費用がかかることが多いが、どんな作り方をすれば効果のある映像・ムービーを作ることができるのかを考えてみたい。

 

 

なぜ展示会ブースで映像・動画を活用するのか

 

展示会で活用する映像・動画には主に2種類のねらいがある。

 

  1. 来場者の目を惹き、ブース誘因のフックにしたい
  2. 映像・動画でないと分かりにくい製品の特徴を説明したい

 

それぞれのねらいにあわせて映像・動画の作り方がまったく変わってくる。ここを間違えると映像・動画の効果は発揮されない。毒にも薬にもなるので適切に制作が進むように整理していただきたい。

 

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 目的① 来場者の目を惹き、ブース誘因のフックにしたい

デザインが固定化されたパネルやキャッチコピーよりも、動いている映像・動画は目をとめやすいという特徴がある。この特徴を利用し来場者の足を止めさせ、ブースに誘引するためのフックにしたいということが、出展者から映像・動画の制作を依頼されるときによく聞く言葉ではある。

 

たしかに、動いているモノに対して人は目をとめやすいというのは事実だ。しかし映像・動画をつくればブース誘因のきっかけになると単純に考えてしまうと落とし穴にハマってしまう。展示会場のブース前を通過する来場者をつかまえるという意図にそった映像の作り方でないと、効果を発揮しないばかりかマイナスに働いてしまうこともあるのだ。

 

来場者は時間がないという原則

展示会の強化書では「来場者は時間がない」という前提に立って、ブースでのコミュニケーションを構築するべきだというスタンスにある。その原則に沿うと、どんな映像・動画だと効果的なのだろうか。

(参考記事)

www.tenjikaibooth.net

 

仮に5分のムービーをつくったとして、最初から最後までそのムービーを見続けてくれる来場者は、展示会場のなかでどの程度いるだろうか。おそらく皆無に近いと思われる。そんなにじっと映像・動画を見ている時間はないからだ。

 

時間がないということは、見切りが早いということでもある。仮に映像・動画に目が留まっても、自分が求めている情報がすぐに出てこなければ、さくっと見切って別のブースに歩いていってしまう。

 

つまり、目的①を叶えるための映像・動画が持つべき機能とは「来場者の足を止めさせる」ことではなく、「来場者の足を止め、短時間のうちに興味喚起する」ことなのだ。

 

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 時間がない来場者は、どんな映像だと効果的なのか

大抵の場合、来場者は映像・動画を途中から見るこの当然の事実が抜け落ちた映像が展示会場には溢れかえっている

 

展示会場を歩き様々なブースを巡っていると、とあるブースの映像・動画に目がとまった。だが映像・動画を途中から見ているので何について説明しているのかが分からない。映画やドラマを途中から見始めても状況把握に時間がかかるという状態と同じだ。

 

つまり、展示会の映像とは「途中から映像・動画を見る見切りの早い来場者」という少々難儀な方に向けてどんなムービーを作る必要がある。これさえ分かれば方向性は見えただろう。

 

最もカンタンな方法は15秒~30秒程度のキャッチ要素だけをまとめたムービーをつくり、ひたすらループするという方法だ。TVCMをつくるイメージだと分かりやすい。 この作り方だと完全に展示会専用の映像・動画になる。アタックムービーと呼べば理解しやすいだろう。

 

しかし、せっかく映像を作るのであれば展示会以外でも活用したいと考えることもまた理解できる。しかし、他でも活用できるような映像・動画を作ったが故に展示会場では全く集客の役に立っていない映像も山ほど見かける。

 

では、サービスの全体像を伝えるような一定のボリューム感を持ちながらも、来場者をキャッチすることができる映像・動画とは、どんな作り方の映像なのだろううか?

 

イメージとしては、大砲よりもマシンガン。起承転結で伝えるのではなく、細かい結論が次から次へと五月雨式に現れてくる映像というものと考えてもらえばよいだろう。

 

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仮に製品や企業の全体像を伝えるにあたっても、その流れの中に細かく「結」に触れるポイントを作ることが必要になる。感覚値としては15秒に1度はベネフィット、つまり顧客の不満を解消できるポイントや理由に触れるのがベターだ

 

ベネフィットに触れないとしても、同じように15秒に1度は何らかの「目を惹く盛り上がり」を映像・動画のなかで作る必要がある。自社製品の機能説明に終始してしまい、「顧客にとっての価値」がわからない映像・動画は最悪のモノである。

 

目的①のモニターはどこに設置するのか。

目を留めさせるという目的であれば通路側に近い方がよいだろう。また、モニターの設置位置は基本的に目線から近い場所からやや高い位置がベターだ。あまりにも高い位置にモニターを取り付けるとサイズの小さなモニターでは用を成さない。

 

モニターが目線に近い位置になるということは、顧客のブース体験(展示会ジャーニー)で考えると、どのタイミングで見ることになるのだろうか。

 

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この時間軸に沿って考えると、顧客はキャッチコピーを見た後に映像・動画を見る。つまり、メインのキャッチコピーを補完する細かなベネフィットや事実を伝えていくということが目的①の映像・動画のミッションと言えるだろう。

 

目的② 映像・動画でないと分かりにくい製品の特徴を説明したい

映像・動画を活用すれば、動体展示ができないモノ、動いている様子が見えないモノなどの詳細を説明することができる。また、そこには「時間の経過」という軸を組み込むことも可能になる。

 

私が制作したことのある映像・動画のなかで具体例を挙げると、ある素材を削るのに適したドリルがあるが、ドリルの形状だけ見てもなぜ適しているのかがパっと見には分からない、しかし映像・動画だと微細なドリルの動きをクローズアップしたりスローで表現したり、通常見ることができない断面を表現したりすることができる。このように、顧客にとっての価値を生み出す証拠として映像・動画を活用していた。

 

これは、パネルづくりで触れたピラミッド構造だと事実に該当する部分だ

(参考記事)

www.tenjikaibooth.net


 

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事実ばかり伝えても価値が伝わりにくいことがあるので、結論もしっかり伝える必要があるが、事実そのものがインパクトある映像・動画になる場合は、クローズアップして伝えるという手法も有効だろう。

 

目的②のモニターはどこに設置するのか

目的①のモニターがブース入口側であったのに対し、こちらは接客のプロセスで使われるのでブースの中に設置する。しかし「接客のプロセスで使う」ということは難しいポイントでもある。

 

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接客時に映像を使用する難しさ

映像・動画をコンテンツ化してタブレットなどで接客に使ったことがある人はわかると思いますが、基本的に接客の流れのなかで映像とは使いづらいこともある。会話の流れがブツっと切れてしまい、困った経験のある人もいるだろう

 

どんなタイミングでその映像・動画を見せよう?、どんな接客の流れで見せよう?、作り方によっては、唐突に接客相手に映像・動画を見せることになったうえ、その映像・動画が流れている数分間の間はお互いダンマリ・・・なんてことになりかねない。

 

となると、ここで流す映像・動画は説明などを作り込みすぎない、という方法も考えらる。

 

映像・動画を見てもらいながら、横から合いの手や補足を入れながら活用する、というぐらいに留めておいた方が、接客しながらだと使いやすいだろう。映像・動画だけ見てもらってもある程度はわかるが、映像・動画だけで完結できるものでなくともよい、ということだ。

 

例えば、技術的な説明であれば1分程度で終わるような細かいコンテンツを複数個制作し、YouTubeにチャンネル登録してまとめてアップロードすれば使いやすいだろう。会話の流れで説明すべき映像・動画をチョイスすることができれば柔軟に対応できる。この方法なら大型のモニターでもiPadのようなタブレットであってもどちらでも活用しやすいはず。

 

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おわりに

的確に活用すれば、映像・動画は間違いなく効果を発揮するコンテンツではある。しかし、どんな映像・動画を作りたいかという想いが先行し過ぎて「誰が」「どんな状況で」見るのかというポイントを忘れてしまっては効果が出ない。ココを押さえると、効果的なムービーができあがるはず。

 

 

 

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