展示会の強化書

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特徴的な数字から見る関西機械要素技術展の傾向

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※こちらの記事は2018年度のリサーチです。2019年度の詳細なリサーチは以下にUPしています。

www.tenjikaibooth.net

 

 

関西機械要素技術展と言いつつ、関西設計・製造ソリューション展、関西工場設備・備品展、関西ものづくりAI/IoT展など関連する展示会をすべて視察してみた。総称「関西ものづくりワールド」。ものづくり関連の技術がドカっと集まった、西日本では最大規模の展示会と言えるだろう。

 

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会場をできるだけスミからスミまで歩いてみてると、展示会の特徴や傾向と言えるような要素を数字にして拾うことができた。つまり、傾向が見えたということだ。

 

この傾向を踏まえ対策を立ててブースづくりをすれば、もっと成果の上がるブースになるはず。もちろん機械要素技術展だけではなく、他の展示会にも活用できそうだ。

 

 

 

関西機械要素技術展の数字① 通路幅が大体3m

 

会場に着いてまず最初に思ったこと、通路が狭い!

 

おそらく、通路幅3mの場所が多いようだ。メイン通路以外はほぼ3mだったかもしれない。さて、通路幅が3mだとするとブースの装飾にどんな影響が出るだろうか。

 

通路幅が狭いときにブースに出る影響・弊害 

 

この展示会は装飾物の高さ制限が3.6mで、ブースの前面ギリギリまで看板や装飾物を作ることがでる、いわゆるセットバックなしと呼ばれる装飾規定だ。

 

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この装飾規定であるがために、3mの通路幅に対して両側の出展者がそれぞれ高さ制限目一杯の3.6m看板を作っているという状況が会場のアチコチで見られた。

 

かなり見上げないと通路からは上部の看板がスムーズに視認できない。これは看板との機能を果たしていないばかりか、ブースや通路に圧迫感を感じさせてしまうというマイナスイメージにも繋がっていた。 

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そもそも、上部の看板には一番見てほしいはずのキャッチコピーが書かれているのに、通路幅が狭い状況で高さ制限目一杯・通路に隣接した看板を作ると、看板に目線が向かわなくなってしまい、見てほしいはずのキャッチコピーを見てもらえないという状況が起こる。

 

通路ギリギリに高さを出した看板を作りたくなる気持ちはわかる、ただただ目立たせたいという想いだろう。しかし、皮肉なことに目立たせたいという想いで作った装飾が逆に目立たないという事態を招いていることを意識した方がよい

 

通路幅が狭いときのブース装飾における対策(例)

 

  • 上部の看板は通路から敢えてセットバックしてレイアウトする。(ブース背面側ギリギリに立ち上げるぐらいでもよい。)
  • キャッチコピーはH3000以下ぐらいにレイアウトする。

 

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このような対策が考えられるが、小間の位置などの要件によっても塩梅が変わるので、全体的な状況を加味したうえでバランスを決定いただきたい。

 

関西機械要素技術展の数字その② 課題解決型メッセージが少ない

 

ブース出展のキモは、来場者の困りごとをいかに解決するかということをメッセージ化することであると再三述べている。では、ものづくりワールド内で明らかに課題解決型のメッセージを発信していると言えるブースはどれくらいあったのだろうか?

 

【選定条件】

  • 課題と展示製品の関係性がわかる
  • 来場者の困りごとを解決するイメージを浮かばせる
  • 一目見てわかる場所にこの情報が載っている

 

【備考】

  • 駆け足かつ目視での確認。極力全通路を見回ってみたが見逃しがある可能性もある。
  • 自治体の共同出展ブースはカウントに数えていない。
  • 例えば「課題を解決します!」というメッセージだけの場合は課題解決型とはカウントしない。具体的になぜ解決するのか、解決するとどうなるのか、という具体的なイメージに至るかどうかがわかりやすくキャッチコピー等で提示されているかどうかが選定条件。
  • 筆者の主観による選定のため、正確性を欠いている可能性もある。

 

【結果(課題解決型のメッセージ打ち出しブース)】

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結果は驚くほど少なかった・・・

逆に考えると、展示会において課題解決型のブースを作ることができれば、他社との差別化は容易だと言えるだろう。

 

【どんなブースが多かったか:傾向】

  • 取扱い商材の領域(カテゴリ)、取り扱い商材名を表示している。
  • ニーズ起点にまで至っていない製品の特徴を表示している。(自分たちが言いたいこと起点のメッセージが多い。または、ニーズを深堀りできていないため、来場者に刺さらない浅い表現になっている。)

 

まず、来場者は時間がないという前提に立つことが肝心だ。商材名や領域名を表示していても、それが自分の困りごとを解決してくれるかどうかわからなければ、ブースに立ち寄ってもらえる可能性は下がってしまう。

 

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メッセージの打ち出し方について意識してほしいポイントがある。「あなたたちが言いたいことは、来場者が聞きたいことか?」ということだ。

ニーズ起点の打ち出しをしているかどうか、仮にニーズ起点であったとしても「そのメッセージは、来場者が聞きたいことに沿った表現になっているか?」ということを自社が掲出したメッセージに問いかけてみてください。

 

関西機械要素技術展の数字その③ キャッチコピー頻出ワードランキング

 

展示会場を歩くと似たようなキャッチコピーが多い!、と前々から感じることが多かった。よって、この機会に似たようなワードがどの程度あるのかもカウントしてみた。

 

機械要素技術展で多い単語、設計製造ソリューション展で多い単語・・・という傾向ははあるが、大きく分けて3つの表現方法が突出してキャッチコピーとして使われていた。

 

第1位・・・短納期、小ロット、低コスト等のQCD系ありがちワード

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生産財やOEMを中心に活動している企業にとっては、このフレーズを自社の特徴と考えている場合が多いようだ。

 

さて、ランキング形式で1位という表現をしたために、良いイメージがあると誤解されるといけないのだ。この高ランクのワードを使っているということは、良いことではない自分たちが「差別化ポイントだ」と思って表現したことが、あちらにもこちらにもある、つまり差別化ポイントになっていないと認識した方がよいだろう

 

どこを見ても小ロット・短納期・低コストを謳っているブースばかり。さて、それぞれのブースの違いはいったい何なのだろうか。来場者はどのブースに入ればよいのだろうか。

 

この例をペルソナ起点で考えてみよう。小ロット・短納期・低コストを謳う仕入先は世の中にたくさんある。それこそネットで調べれば自分の探している商材について、小ロット・短納期・低コストといった対応をしている会社もカンタンに見つけられるだろう。

 

にもかかわらず、ペルソナは不満を抱えている、ペルソナは悩みを抱えている、ペルソナは痛みを抱えている、その原因はいったいなぜ??、と掘り下げていくと、この「小ロット・短納期・低コスト」というワードも表現の仕方がまったく変わってくるはず。

 

実は1件だけ、このありがち系ワードを活用しながらも非常にうまくまとめたコピーを打ち出している会社のブースがあった。1小間の小さなブースなのにそのコピーのおかげなのか、来場者がひっきりなしに来訪していたように見受けらた。

 

小ロット・短納期・低コストが当たり前のように謳われる現在でそれでもペルソナが抱えている困りごとに対して、自社のどんな状況・状態・サービスがその困りごとを解決するのか。。。具体的にどんなモノだったかは流石にこの場では表現避けるが、いやお見事。ヒントとしては、数字を使ったうえでペルソナの困りごとが解決されるイメージを与えた。さらに、その数的根拠が誰が見ても納得いくものだった。というもの。

 

第2位・・・革新、革命、変革、というレボリューション系ワード

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そこでもここでも革命が起こっている、まさに革命の大安売り。これだけ革命が起こるとはどれだけ政情不安なのか、某宇宙海賊ゴー☆ジャス氏も驚愕のレボリューションっぷりだ。

 

言葉のチョイスとして重要なのは、その言葉が持っているイメージと実態が一致しているかどうかだろう。革新・革命という言葉は、それこそ事業のあり方が変わってしまうぐらいの影響力を持つモノに対して使うワードではないだろうか。その商材は、間違いなく業界や、もっと広い意味で社会に対して強いインパクトを巻き起こすような商品なのか?

 

「かっこよく見せたい」「よく思われたい」という気持ちはわかるものの、実態と乖離したワードは意識に染み込んでこない。それこそ、革命が起きるぐらいのレベルの商材であれば展示会でPRしなくても、業界内でそれなりにニュースになっているはずだろう。

 

第3位タイ・・・「一気通貫」などのワンストップ系ワードと「ソリューション」

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どうも、取りあえず「ソリューション」と言っておけばいいやという雰囲気を感じる。しかし、当然ながらこのワードでは何がどう解決するのか、なぜ顧客の課題が解決するのかは分からないできない。

 

「自社の製品やサービスが複雑だから適切に表現できない」「一つにメッセージを絞ると製品やサービスの一側面しか表現できない」と考えてしまうかもしれないが、それは顧客の方向を向いていない発想だろう。

 

困りごとの解決方法を探している来場者に対して、〇〇のソリューションですというキャッチコピーは、質問に対する回答になっていない来場者は、常に自分の困りごとを質問してきていると仮定して考えいただきたい。

 

「ソリューション」というワードは複雑なビジネスモデルやスキーム、商材を一言で表現できてしまうので発信側からすると使い勝手のよいキーワードだ。しかし、ソリューションと表現したところで間違ってはいないだけで何も伝わってはいない。安易な「ソリューション」という表現はキャッチコピーとしての役割や意味を果たさない。

 

一度、脱「ソリューション」表現にチャレンジしてみてもよいのではないだろうか。顧客像を掘り下げていくことはもちろん、自社のビジネスモデルを因数分解してみると、何が顧客にとって最も喜ばしい要素で、何を理解してもらうことが一番話が早いのかというポイントに気付くことだろう。

 

ワンストップ、一気通貫という表現も同様だ。なぜ、他のワンストップサービスを提供している会社ではなくあなたの会社のサービスを採用せねばならないのか。顧客があなたの会社と他社を比較したときに、なぜあなたの会社を選ぶのか。このような観点から考えると、導き出される表現はこれらのフレーズとは異なる表現になるはず。

 

他社ブースとキャッチコピーが似通ることの弊害

 

他社ブースとキャッチコピーが似通るということは、来場者にとって最初の接点になるべき「キャッチコピー」の段階では、他社との差別化が出来ていないということだ

 

今回ランキングで挙げたモノ以外にも、よく使われているワードがいくつか見受けられた。展示会ブースのキャッチコピーづくりについてどう考えていけば良いコピーになるのかを考察しているのでご一読いただきたい。

 

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