ざっくりと分類すると以下のような会社に依頼ができる。
- コンサル系(経営の方向性から的確な仮説設定をすることに長けている。デザインのアウトプット力が強いわけではない。)
- 広告代理店(イベント・カタログ・WEBなど、幅広い領域にわたってプロモーションの全体を進行できる)
- デザイン会社(デザイナーが社内にいる、主に商空間などをデザインしていることが多く、展示会の案件比率はそこまで多くない)
- イベント制作会社(本番の運営まわりに強い。ステージ進行や運営スタッフ管理に出展者以外の外部の関与が必要な場合には特に心強い)
- ブース装飾会社(自社工場・資材保有) (ブースで必要な要件が具体的に固まっているときには依頼しやすい。コストを抑えることができる。)
- ブース装飾会社(工場・資材等なし) (一番数が多い会社。テレアポしてくるのはほぼこのジャンル。)
会社の違いは守備範囲
広告代理店はプロモーション全体の戦略、デザイン会社はプロモーション全体の戦術、イベント制作会社は場の運営、ブース装飾会社は展示会に特化している。もちろん、特徴はあくまで傾向でしかないため、複合的な分野がカバーできる会社もある。
一方で残念なことに、ブース装飾会社で映像やWEBなど「作ることができます!」と謳っている会社は多いものの、あくまで戦術レベルで「作ることができる」だけで、戦略レベルで「企画ができる」ところは少ないという印象だ。
ちなみに、最終的な「ブースをつくる」という作業に至るためには広告代理店やデザイン会社が直接の取引会社だったとしても、その下にはブース装飾会社がいることが多い。
どの守備範囲の会社に依頼すれば、展示会ブース装飾は適切に進むのか
答えは「どこでもよい」が「どこでもよくはない」。
単純に予算がないからブース装飾会社に頼もう、あるいは展示会も映像も同時に作りたいから広告代理店に頼もうということではなく、自分たちに必要なサービスは何か、正しく理解することが最も大切であり、装飾会社選びのポイントだ。
プロモーションの全体像を作り込むことが必要なのか、展示会のコストを徹底的に抑えることが必要なのか、「なぜその展示会に出展するのか」、「どんな成果指標を抱いているのか」、「そのためのアプローチ方法は何か」ということを具体的に掘り下げていけば、自ずとどんなサービスが必要になるかは見えてくるだろう。
自分たちに必要なサービスは何か、正しく理解する
展示会の強化書では、展示会ブースづくりに必要なノウハウやステップを様々な角度から紹介している。もしこのサイトをしっかり読み込む時間があれば、それだけでも自分たちに必要な作業が見えてくるだろう。
そのうえで、あとはどんな会社に発注すればよいか、どんな会社があるかはひたすら調べてみるしかない。「展示会 ブース 装飾」などで検索すればもちろん沢山情報は出てくる。あるいは日本展示会協会や日本空間デザイン協会などの会員のなかから、所在地の近い会社を探してみる方法もあるだろう。
そもそも、一度展示会に出展すると、翌年からの同じ展示会の時期が近づいてくると、ジャカジャカ営業の電話がかかってくるという経験をした方もいるだろう。その中から選定するということも方法として考えられるが、テレアポしてくる会社は上記⑤の装飾会社が多い。
提案を依頼する装飾会社の得意領域を知るために
装飾の提案を依頼する会社が何を得意とするのか、敢えて企業のカラーを測ろうとするのであれば、ホームページやパンフレットを見るのでなく、このフォーマットで、得意な領域がどこになるか聞いてみるのもよいだろう。
敢えて、自社の強みがどこであるのか一点を指してもらうというかたちで、企業の一番得意分野を測るためのフォーマットだ。ただし、事前にこの資料を渡してしまうと、以下のようなざっくりした返答になるかもしれないが、これでは知りたいことがわからない。
基本的には、装飾会社担当との打合せのときに、シールなどを使って以下のように指し示してもらうことが、その会社のカラーを知るためにはわかりやすい方法だ。
※このように1点を指してもらおう
ただし、この資料や装飾会社のジャンルわけで分かるのは「何ができるか」まで。「どのレベルで出来るのか」という提案力については、提案してもらわなければ分からない。
そして、提案をしてもらう会社のポテンシャルを活かし、正しい方向に企画を導くには事前段階の仮説設定とオリエンテーションが重要になる。展示会出展において何を目指すのか、具体的に想定していおいていただきたい。