展示会の強化書

展示会ブースの企画・装飾・デザイン・運営など展示会にまつわるプロセスのノウハウ提供ナンバーワン!展示会の成果を最大化する「強化書」です。

装飾会社が言う展示会ブース「企画」って、どこからどこまでのことなの?

スポンサーリンク



展示会の「企画」についてアレコレ考えることを書き連ねているが、考えることが多いことに驚いている方もいるだろう。

 

なんでここまで出展者が考えないといけないの?、装飾会社って展示会ブースづくりのプロなんだからもっと丸投げできるんじゃないの?、あの会社もこの会社もしっかりヒアリングして企画しますって言ってるよ、と・・・

 

ここで大切なのは、そもそもブース装飾会社の言う「企画」とは、どこからどの範囲を指すのか。コレを知ることだ。

 

 

何をするかという視点で解体する展示会ブース装飾の流れ

 

展示会ブースづくりの段階は以下のような流れで表現できる。

f:id:tenjikaibooth:20180824011556g:plain

 

しかし、これだけ見ても「何をするか」ということはよくわからない。実際に出展者や提案者側がすべきことが何であるのか、という視点から展示会ブースづくりの流れを解体すると以下のような流れになる。

 

f:id:tenjikaibooth:20180917140434g:plain

1.仮説設定・要件定義

出展の理由・成果設定、ペルソナ、ベネフィットなどを仮説設定し、展示会出展の目的を具体的なイメージとして共有する。

2.コミュニケーションの設計
それぞれで活用するツールや手段の選定と「ねらい」を定める。

3.ツール化
キャッチコピー、パネル、グラフィック、映像など、具体的なコミュニケーションツールに落とし込む。

4.設計、施工
コミュニケーションを実現する空間のあり方を設計し、展示会場の場に落とし込む。

5.運営
コミュニケーションが適切に発生するよう、本番の進行をコントロールする。

 

装飾会社の「企画」とは、どこからどこまでか

 

さて、本来的な意味合いで展示会ブースの企画というのであれば、仮説設定から設計まで(1~4の途中まで)をトータルに構築してこそ企画と呼べるだろうが、一般的な装飾会社が差す企画の範疇は3のツール化と4設計、施工の部分のみだ

 

設計、施工の部分だけで「企画」と言ってしまうケースすらある。企画と呼ぶには余りにも狭い範疇だ。逆に「ウチは仮説設定・要件定義の段階からやっているよ!」という装飾会社・デザイン会社の方は自信を持って他社との差別化を図っていると謳っていただければよいだろう。

 
つまり、仮説設定・要件定義、コミュニケーション設計、ツール化の途中までは出展者側でやらないといけないケースが多いのだ。しかも、1、2の段階がしっかり固まっていないと、そのあとのツールや空間に落とし込んだときに何を目指しているのかがブレた散漫なものになってしまう

 

また、展示会でキッチリ成果を出す空間を作り上げるためには、1~2のプロセスを重視しないと成果が上がらないことに装飾会社側が気付いていない場合が多い。

 

ブース装飾をある装飾会社に依頼する場合、1~2のプロセスに対しての提案ができるような装飾会社は少ないだろう。1~2は既に「決まっている前提」でヒアリングが行われることが多い。そして、1~2がしっかり固まっていない状態で出てくるブースの計画は、何を目指しているのか散漫なプランになってしまう。

 

しかし、提案段階でのイメージパースはキレイに見えるうえ、現実に出来上がったブースもしっかり出来上がっているので、一見成果をきっちり上げるために適切な空間であるように感じるが、現実は思ったほどの成果が出ない

 

こうなると、何が悪いのかがわからない、しかし何か違和感がある。これは1~2のプロセスが軽視されたために起こったことだ。

 

装飾会社から提出された企画書のなかでこんなフレーズを聞かないだろうか?
「周囲から際立ち(目立ち)ます」、「快適な接客を実現します」、「洗練された空間です」、「ブランド価値を高めます」、これらは装飾提案の際によく出てくるキーワード(殺し文句)のようなモノだが、あくまでこれらは「手段」でしかない。

 

1~2を実現するために周囲から際立たせる、洗練させる、というプロセスを経るのであって目的そのものでは決してない。目的を明確に設定できていない状態から出てくる「目立つ」「快適な接客」「ブランド価値の向上」のなんと空虚なことか。なぜ目立つ必要があるのか、快適な接客がどんな成果に繋がるのか、具体的に定義できているからこそ、意図通り空間に落とし込めるのに・・・

 

展示会ブースの企画をお願いできるパートナーの得意領域

 

さて、装飾会社でなくとも展示会の装飾をお願いできる会社はイロイロあるだろう。
以下は1~5の流れのなかでそれぞれの会社が何を得意にしているのかざっとまとめたものだ。

f:id:tenjikaibooth:20180917141031g:plain

コレも各社ごとの特徴はあるだろう、「自分たちはもっとできる!」という会社もあるだろう。ちなみに、装飾系以外の会社と取引をしたとしても、実際にブースをつくる際には、取引会社の下請に装飾系会社が入っていることが多い。

 

装飾会社への依頼で起こり得る課題について知っておく

 

装飾会社は前提条件を疑わない

上記で説明したようなケースと似たようなテーマにもなる。

 例えば装飾会社へのオリエンテーション時に「この製品の特徴は一言で表現すると何ですか?」とヒアリングされたとしよう。

 

装飾会社側のヒアリングの意図はなんだろう?キャッチコピーとして表現するのか、グラフィックとして表現するのか、空間にそのエッセンスを反映するのか、ヒアリングの意図はともかく、装飾会社の姿勢として悪いものではない。

 

しかし、ここに問題があって、大部分の場合は出展者が一言で表現したキーワードを正しいものであるという認識のもと装飾会社は企画を進めてしまう。

 

その特徴は本当に製品の本質なのか?、出展者側が提示した製品の特徴は来場者にとっても重要なものなのか?、その一言をブースに反映することで、本当に集客に繋がるような来場者の感情に揺らめきを生み出せるのか?

 

そもそもの前提が間違っていた場合、オリエンしたあとでは取り返しがつかない。幾ばくかのイメージの是正はできても、本質的な要素は最初に共有しておかないと全ての作業がやり直しになってしまう。

 

装飾会社は、出展者の課題設定(言い換えると前提条件)を、わざわざ疑ってくれない。あなたの課題設定・前提条件は正しいものという前提のもとデザインを進めていくのだ。もし今のパートナーがここから真っ当な相談ができる相手なら、相当大切にした方がよいだろう。

 

前提条件が間違っている場合、どんな良いデザインを提案してもらっても間違った方向に進んでいくだけだ。会期前にはとても手応えのあったブースづくりが、いざ本番になるとパッとしない成果だったなら、この状況を疑った方がよい

 

前提条件を間違えたくない、あるいは多くの来場者に気に入ってもらいたい、という想いが出過ぎてしまったブースは、往々にして誰に向けてメッセージを発しているのかわからないブースになる。広い領域を指し示した結果、密度が薄くなってしまい何も伝わらず来場者が通り過ぎていく。展示会場には、このように初期の方向づけを誤ったとしか思えないブースが多数存在している


意味不明なキャッチコピー、来場者が聞きたいことではなく自分たちが言いたいことを詰め込んだグラフィック。つまるところ、顧客視点・来場者視点になっていないがため、集客に失敗しているという状態だ。

 

この方向づけを装飾会社へのオリエン前に固めておき、オリエンで確実に認識を共有できれば展示会の成果は上がるだろう。オリエンテーションまでで、展示会成果のほぼ半分は決まる。なぜなら「何を伝えるのか」はオリエンの前段階で決まっているからで、オリエンから先は「どう伝えるか」という手段を検討する段階に入るからだ。

 

装飾会社には「何を伝えるか」は相談できない、相談できるのは「どう伝えるか」、だと認識しておくと、自分たちがすべき準備を誤らずに済む。

 

その「企画」は「最適」な手段なのかどうか

「何を伝えるか」の先は「どう伝えるか」というプロセス。ここからは装飾会社と協議しながら検討を進めることになるが、ここでも装飾会社の特性を理解しておかないと、適切な「どう伝えるか」には繋がらない。

 

具体例で考えてみよう。

ある出展者Aはちょと特殊な技術を持つ塗装メーカー。このメーカーは、他社では塗装が難しいマテリアルに対しても環境や用途に合わせた様々な塗装ができる技術がある。この技術を来場者に適切に伝えていきたい、さあどんな手段が取れるだろうか?

 

おそらく、一般的な装飾会社などに提案を依頼するとプロモーションの手段として認知されているようなパネル・チラシ・パンフレット・映像・WEB・プレゼンテーションといった手法を提案されることが多いだろう。

 

しかし、ちょっと待っていただきたい。本当にその手段はその技術を展示会の場で最も適切に伝えるための手段だろううか?

 

例えば、何種類かのマテリアルに塗装したサンプルを組み上げて大きなサイコロを作ってしまえば目を引くかもしれない。あるいは、塗装したカードをトランプにしてノベルティをお渡しするイベントを実施してもよいかもしれない。

 

よく言う「技術の見える化」の一環だが、このようなアイデアが装飾会社から出てくることは少ないだろう。装飾会社からは、技術を伝えるために最適な手段が提案されるわけではない。装飾会社の持ちネタのなかから最適と思われるな手段が提案される。装飾会社の持ちネタとはつまり「自分たちの売上げに繋がるモノ」だ。自分たちの売上に繋がらないようなアイデアが提案されることは、ほぼ無いだろう。

 

コンサルであれば、そもそもの売上げが「コンサル費」という名目になるので、ツールそのものでの売上は考えない分、何かしらの提案が出てくるかもしれない。それも会社それぞれの考え方によるだろう。

 

つまり、各社のビジネスの範疇で売上計上されるモノ以外の提案は出てきにくいと認識しておいた方がよい。言葉にしてみれば至極当然のことではあるのだが、来場者の方向を見たものになっているかというと疑問が残る。

 

f:id:tenjikaibooth:20180917142546g:plain

だから、どんなツールや手段を使うべきなのかは極力出展者自身で考える方がよい。ペ顧客像を掘り下げていくと、おのずとその正体が見えてくるはずだ。そのうえで、適切な手段かどうか「相談」できるパートナーを作ることを考えるとよい。もしかすると、いつも自分のところの製品を購入してくれる馴染みのクライアントかもしれない。その相談相手は来場者の立場を想定できるか、というポイントが重要となる。

 

すべての工程をキッチリ押さえられるようなパートナーを探すということも手かもしれないが、そのような会社は非常に少ない。また、コスト感も高くなってくることが想定される。しかし、自分たちが「何を大切にして」「何を目的にして」「何を成果と考えるのか」という点を押さえることができていれば、装飾会社であっても広告代理店であっても、適切にコントロールし展示会の本番に向かえるはずだ。

 

ここまで考えないといけないのか、というよりは、ここまで考えるから外注パートナーを適切に活用できるということと認識いただきたい。しかし、展示会はあなたの企業活動の未来に強い指針を指し示してくれる羅針盤だ。いくら考えても考えすぎということはないだろう。

プライバシーポリシー・利用規約・免責事項

Copyright © 2018 展示会の強化書 All rights reserved.