展示会の強化書

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プロ野球の球団運営から学ぶ、展示会ブースのコミュニケーション

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お前は何を言っているんだと、余りにも唐突な投げかけに驚く方もいるだろう。

 

先日、2019年のプロ野球はシーズンを終えた。これから先のストーブリーグ・キャンプはどの球団のファンも等しく来シーズンに向けて期待を膨らませ続けることのできる季節である。あぁ、シーズンが終わってしまったなぁと、一人のプロ野球ファンとして感慨にふけっていたところ、プロ野球と展示会ブースのコミュニケーションとの間に共通項を発見してしまった、発見したからには記事にしなければならないのだ。

 

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普段の記事とは少し違った角度から展示会を解体して考えてみることで、私たちが展示会ブースで行うべきコミュニケーションの姿が見えてくる。プロ野球の球団運営と展示会ブースにおけるコミュニケーションの共通点、そして採るべき戦略とは。

 

 

 

プロ野球の球団運営と展示会ブースのコミュニケーションを繫ぐ3つの目的

 

さて、プロ野球との共通点を掘り下げる前に少し考えてみていただきたい。ブース内に入ってきた来場者に対して行うコミュニケーションには実は「3つの目的」がある。

 

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これら展示会ブース内コミュニケーションにおける3つ目的は、プロ野球の球団運営のなかに共通項がある。どのようなものか、以下の図をご覧いただこう。

 

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①~③それぞれの目的を達成するための行動は、関連性がありながらも異なっている。あなたが立案している展示会ブースにおけるコミュニケーション計画は、この3つの目的を達成し得るものかどうか、事前にしっかりチェックをしておいていただきたい。

 

①ゲームの戦術との共通項

 

プロ野球の場において、ゲームにおける戦術とはチームの直接的な目的である「勝利」を目指すために実行される

 

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スタメンはどうする?、投手交代はどのタイミング?、ノーアウト1塁の場面で送りバント?、エンドラン?、単独スチール?、その全てがチームに課せられた命題である「勝利」のための選択と実行だ。

 

ビジネスにおいての勝利とは何だろうか。展示会出展においては当然のことながら「受注」が勝利に該当するものとして取り扱われる。顧客との関係性のなかで最初の到達点となる「受注」に向けて、あの手この手を尽くすのが、皆さんの普段の活動だ。

 

展示会ブースでもそれは同様。受注に向けた適切な橋渡しをブース内でのコミュニケーションで実現する。適切な橋渡しとは、展示会ブースを通したコミュニケーションが介在することで、商談プロセスの短縮につながる次のステップに繋がる確率を上げるといった機能を発揮することだ。

 

受注に向けた適切な橋渡しをするための行為の代表例としては商談コーナーを作っての接客や、来場者が自らの組織に戻ったあとに行動に移しやすいお膳立てツールなどが挙げられる。もちろん、カタログなどに代表される配布資料もその一環だ。

 

よく、展示会主催者が「ブース内には商談コーナーを置きなさい」という啓発活動をしているが、これはまさにゲームに勝つための戦術の一環だ。商談コーナーを設けて顧客をその場に座らせること自体が、その後の商談プロセスの短縮に、次のステップに繋がる確率を向上させる。そんな効果を経験則と、おそらくはリサーチ等によって掴んでいるからこそ、商談コーナーの設置を出展者に薦めるのだろう。

 

しかし、プロ野球における勝利とはゲームにおける戦術だけで全てが決まるわけではない。ゲーム内で可能なことは、今ベンチ入りしているメンバーを前提とした戦術だ。勝つチームを作るためには、その選手の質が当然重要になってくる

 

②選手の獲得との共通項

 

プロ野球における選手獲得の機会としてはドラフト会議や入団テストといったものが代表的なものとして挙げられる。野球好きの方は今年のドラフトはいかがだっただろうか。私の贔屓球団は2回もクジを外してしまった。クジになった時点で余り勝てる気がしないクジ運のない球団だ。ちなみに、2回クジを外した球団は2つあるが、人気のある方の球団ではない。人気のない方の球団だ、と自分で言ってしまうところに自虐的な要素も感じるが・・・

 

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さて、ドラフト会議に代表される選手獲得の行為とは、チームに足りないピースを埋めてくれる選手を獲得しようとする行為である。よって、事前にスカウトがリサーチを行いチームに貢献し得る選手なのかを事前に確認したうえで、獲得を図ろうとする。

 

展示会ブースにおけるコミュニケーションも同様である。「自分たちが出会いたい顧客像」を事前に戦略を立てておき、その顧客に向けたメッセージを発することでブースへの誘引を促す

 

いくら他球団にとって競合ドライチになりそうな高校野球のヒーローでも、自チームにフィットしない選手をドラフトで指名することはない。そして、展示会でも似たようなケースがある。

 

例えば「大企業であっても価格競争ばかりを強いてくるような調達担当と出会いたいわけではなく、規模は小さくとも自社の技術を適切に評価してくれる技術担当と出会いたい」と目的設定したとしよう。この場合、他の出展者にとっては大企業の担当者がドライチだが、自社にとっては適切に評価をしてくれる技術担当がドライチとなる。当然、このどちらを獲得したいのかという思惑によって、発信するメッセージやブースでのコミュニケーションは大きく異なるはずである。

 

獲得した選手は、この後の選手育成とも関連するが、個々の選手が持つ現在の能力や状態に応じ、ゲームに向けた調整プランが立てられる。大卒・社会人の即戦力ドライチ投手であれば開幕ローテに入ってもらうための調整をキャンプから取り組むだろう。一方、高卒ドラ6の素材型野手はまずプロとしてシーズンを戦える体作りに時間を費やす。

 

このような選手個々の状況に合わせた調整行為を、展示会のコミュニケーションに置き換えるなら、獲得した顧客の情報(リード)のランクに応じてアプローチの施策を変える行為が該当するだろう。

 

Aランクの顧客に対しては早々にフォロー営業を直接する、Bランクの顧客に対しては必要性を感じてもらうために無料セミナーへ招待する、Cランクの顧客に対しては興味を感じてもらえるように地道にメルマガ配信で啓発活動を行う。このようなリードのランク分類によって採る施策が異なるのも一般的だ。

 

プロ野球選手は入団したときの状態そのままでゲームでも活躍できるような選手は少ない。多くの場合、ゲームで活躍できるように選手を育成しなければならない

 

③選手育成との共通項

 

プロ野球各球団はシーズンをとおして多くのゲームを戦っているが、同時に選手個々の能力を高めるためのトレーニングも日常的に行っている

 

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そこは、選手個々に与えられた役割のもと、自分に足りない能力を、伸ばすべき能力を、それぞれ見極め適切なトレーニングを選択しようとする行為の繰り返しだ。今の自分に足りないのはスピードか、パワーか、テクニックか、あるいは連携か。選手個々によって課題は異なり、また課題を解決するためのアプローチ方法も異なる。

 

展示会のブースにおいても、プロ野球における選手個々の能力向上と似たアプローチでコミュニケーションが行われている。それは、自社製品・サービスの価値・魅力を来場者に感じてもらうという行為そのもの

 

接客の初期には課題解決に対して大きな期待をしていなかった来場者が、接客をとおして製品・サービスの導入に強い魅力を感じるようになれば、展示会後に来場者が行動を起こす可能性も高まるだろう。

 

ブースの展示会内容やコミュニケーションが魅力的なものであれば、来場者自身の行動可能性を高めることができる。来場者の行動可能性が高まるということは受注に向けた可能性も高まるということだ。

 

もちろん、BtoBのビジネスプロセスは理性的な判断が成されるため、目の前の来場者を動かすだけで成果に直結するとは言えない。しかし、目の前の来場者が動かなければその来場者が所属している組織も動かない。これはプロ野球も同様で、ある選手の能力が向上したからといってそれが直接勝利には直結しないが、勝利に繋がる可能性は高まる。

 

ブースに立ち寄る前の段階では「まだまだ客」でしかなかった来場者が、接客をとおすことで「いますぐ客」「もうすぐ客」になることは当然ある。来場者自身の行動可能性を高めるコミュニケーションは、ビジネスの勝利に繋げるために必要不可欠なピースだ。

 

3つの要素をおさらい

 

改めて3つのコミュニケーション目的を整理してみよう。

 

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展示会ブースのコミュニケーションは、この3つの目的が達成されるように計画を立てることができていれば成果が大きくなる。改めて自社ブースのコミュニケーション計画を振り返ったときに、この3要素のうち、漏れているものがないかをチェックするとよいだろう。

 

集客に失敗しているブースによく見られる特徴

 

私の目からは、特に②がうまくできていないために獲得できていたはずの来場者を集客できていないケースが多いように見受けられる。

 

これもドラフトなどで例えよう。ダメな球団のドラフトは編成と現場の意見が乖離したような補強をしている。FA戦線や外国人選手の補強についても同様で、例えばダブついているポジションにわざわざFA選手を獲得して人的補償でボトルネックのポジションの選手を奪われてしまったり、支配下登録枠が足りなくなり期待の若手を育成選手に落としてしまったりするような行為は本末転倒だろう。自分たちに必要な人材像が、現場と編成でズレていてはお話しにもならない。だから最近は、各球団において現場と編成をつなぐGM職が増えているのだ。

 

選手の獲得における戦略とは、展示会において「営業がほしい顧客像」を具体的に定義しておくことだ

 

これは、営業とマーケが分かれているような企業の場合、徹底的に事前にすり合わせておく作業が必要となる。営業とマーケの仲が悪くてすり合わせできないというケースはよくあるが、そこは曲げてでもすり合わせてほしい。「獲得したい顧客像」と「発信しているメッセージ」がズレている状態など、悲劇でしかない

 

そのうえで、来場者のランク付けも接客した担当者のカンではなく、明確にランクを判断するための基準を持っておきたい。なぜその来場者はAランクなのか、これを理性的に判断できる基準を持っていなければ、どんなアプローチ方法が適切だったのかを事後で検証することができない。極論、スタッフによって同じAランクでも判断基準が異なるという事態が起こる。

 

【事前のすり合わせ】【明確な判断基準】の2つが揃うことで、適切な顧客に対するアプローチの方法が実践でき、また実践したことを適切に反省することができるのだ。

 

おわりに

 

プロ野球においてゲームでの勝利は至上命題だ。そのための戦術にあの手この手を尽くしているが、ゲームの勝利を左右するのは他にも、どんな選手がいるか、その選手がどんな能力を持っているか、ということも当然影響する。

 

展示会ブースにおいても同様。ビジネスプロセスにおいての勝利をつかむために、ここに挙げた要素を抜け漏れなく計画立てて、最高の結果に繋げていただきたい。

 

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5年前、球団史上最高の試合だったであろう現場

 

このような「展示会」という特殊な場で、コミュニケーションをどのように設計していけばよいのかという指針を考えるためのワークシートを提供している。「伝えるべきこと」を「最も伝わる方法」で提供し、「適切なコミュニケーション」を実践する。もし、これらがうまくいっていないと感じるのなら、活用していただくとよいだろう。

  

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