展示会の強化書

展示会ブースの企画・装飾・デザイン・運営など展示会にまつわるプロセスのノウハウ提供ナンバーワン!展示会の狙いを強化する「強化書」です。

展示会ブース出展を投資と捉えて企業経営に新たな風を吹かせる①

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展示会ブース出展をするとなると、それなりのコストが必要だ。ところでそのコストは経費と捉えているだろうか?、投資と捉えているだろうか?、捉え方一つで展示会ブース出展の意味・効果が変わってくるので大切に考えたい要素だ。

 

展示会ブース出展を投資と捉えて企業経営に新たな風を吹かせるための方法を2回にわけて紹介する。

 

 

 

展示会ブース出展のコストを一種の投資と捉えると、より効果的な運用が可能になる。しかし、一般的には展示会出展はその年度の販売促進費のなかの一つ、つまり単年度の経費と捉えられていることが多いのではないだろうか。では、投資と捉えるということはどういうことなのだろう。

 

展示会ブース出展は投資としてとらえる

 

前回まで3回にわけて、展示会における費用対効果の算出について考えてきた。

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実はここでの効果とは、経費的に定義するような算出方法だ。しかし、自分で紹介しておいて何なのだが本当は投資的に定義することが出来た方が、より適切な結果につながると感じている。

 

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展示会出展に費やしたコストが売上にどれだけ繋がったかを考えるときに、出展製品の販売額や新たに獲得したリードの初回取引額を効果・売上と定義して考えていることが多いのではないだろうか

 

展示会ブース出展とLTV(ライフタイムバリュー)

 

ここで取り入れてもらいたいのが、前回の記事でも説明したLTV(ライフタイムバリュー)という考え方。これは、「一人の顧客がその取引期間を通じて企業にもたらすトータルの価値」を示す概念・指標である。

 

例えば、展示会に出展することで製品Aがある新規取引先に売れたというケースでは、製品Aの実売額だけでなく、製品Aのメンテナンスで定期的な売上が発生、また関連製品・サービスの導入からも売上が発生、さらには数年後に製品Aをアップデートした新製品Bの導入にもつながった、というケースもあるだろう。このようなケースの場合、製品Aの販売額以上の売上がこの新規取引先から発生している。

 

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しかし、展示会の費用対効果を算出するときに、その基準となる売上を製品Aの販売額と考えてはいないだろうか?

これは、展示会出展の費用を経費的に捉えているがために起こる。経費的に捉えると単年度予算の範疇で、どの程度の効果を導いたのかを算出することは容易になるが、顧客との関係性を「単発的」に捉えているとも言えてしまう。

 

あるいは、展示会出展をある商品AをPRするためのものと考える商品起点の考え方もあるだろう。この場合は展示会出展の効果は商品Aの売上と捉えられる。しかし、企業活動の目的にまで遡ると、展示会出展はある企業との取引関係を構築することと捉えられる。展示会出展を通してある企業との関係性を作ることが目的であれば、売上は製品AでもBでも何でも良いはず。

 

顧客と築きたいのは長期にわたる関係性

 

顧客とは長期的な関係性を築きたいという想いはほとんどの企業が抱いている思考という前提に立っておきたい。顧客ロイヤルティ戦略やロイヤル・カスタマーなどと呼ばれる手法も浸透してきている。

 

展示会出展の費用対効果を算出するにあたって単発の売上・初回取引の額だけで判定すると、展示会出展が顧客との長期的な関係性創出の起点として機能したのかは判断がつかない。つまり、展示会ブースの費用対効果算出にあたって、短期的な目線では適切な成果測定ができないのだ。そのため、前回の記事でご紹介した費用対効果の「効果」あるいは「売上」はLTVの概念に沿った数値で測定した方が適切な検証ができる

 

顧客との長期的な関係性を築くために展示会ブースが出来ること

 

顧客との長期的な関係性をつくるのは、顧客になったあとのフォロー施策についての話題ではという疑問もあるだろうが、この点についても展示会ではまったく視点の違うアプローチができる。

 

そもそも長期的な関係性を作り得る顧客とは、どんな顧客なのかを想定し、その顧客との接点をつくることに注力するというブースづくりを進めるという考え方が展示会ブースでは可能になる。

 

展示会のペルソナを設定するときに、ターゲット層の顧客という表現ではなく「最も熱狂的に求める人」という表現をしたのには、この辺りも関連している。

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顧客ロイヤルティ戦略は獲得したあとに推進するものではなく、展示会に限っては獲得する前から既にはじまっている。LTVが高くなりそうな顧客は、どんな顧客か、展示会段階ではどんな来場者なのかすべては仮説でしかないが、仮説を立て実行と検証を繰り返せば精度は向上していく仮説を立てるから、その仮説が正しかったのか、仮説に対するアプローチが適切だったのかが判定できる。つまりPDCAがまわせる状態になるということだ。

 

暗闇に向けて闇雲に銃を乱射するようなやり方では、何が正しく何が間違っていたのかが検証できない。展示会ブース出展におけるPDCAのうち、CheckができるPlanなのかどうかは、事前に確認しておいた方がよいだろう。

 

投資視点になるということは、経営の根幹が展示会と連動する

 

さて、売上目標や費用対効果の定義がLTVのような指標であった場合、顧客との関係性はより長い時間軸で語る必要が出てくる。何年で展示会出展に費やした費用を回収するのか。その製品・プロダクトのライフサイクルは何年程度なのか。減価償却を何年間に分割するのか、こういった観点は投資的な視点だ。

 

投資的な目線で、長期にわたって顧客との関係性を築くための戦術の一環を考えるのであれば、自社のビジネスを丁寧に因数分解したうえで展示会において何をアウトプットするのかという方向付けが必要になる。それはまさに、経営の指針を展示会ブースに落とし込む作業と言える

 

つまり展示会ブースとは経営指針を現実の空間にカタチとして表現したとものと表現できる。

 

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経営指針を展示会ブースでアウトプットするには経営層の関与が必須

 

投資目線で展示会を捉えると、展示会への向き合い方が大きく変わる。冒頭で「経費か投資か」という問いかけをした意味は、会計費目上の分類がどうかということではなく、組織としてどのように展示会に向き合っていくのか、というマインドを問いかけたものだ。

 

投資目線で考えると、展示会というセクションのみの部分最適化ではなく、マーケティングの全体像を見渡した全体最適化も必要になるだろう。全体の流れを俯瞰して見通したときに展示会出展にはどんな役割を担ってもらうのかを考える作業が必要になる。

 

このプロセスはイチ担当者のアイデアだけでは中々適切に進まないかもしれない。経営の最上流から展示会出展をどう位置づけるか(どう活用するか)ということを考える必要が出てきそうだ。経営の最上流から、つまり経営チームが展示会出展をどのように活用するのか、明確な指針を示すことで展示会の推進は格段に経営的になる。

 

本来このような進め方をした方が適切なのに、一担当者にポンっと丸投げしてしまってもよいモノなのなのだろうか。あなたの会社のケースで考えてみていただきたい。その担当者は、「自社が」、「その市場セグメントに」、「そのプロダクトで」、「そのターゲットに製品を届けるということが」、「なぜという視点から」、しっかり腹落ちしているのだろうか?

 

仮に、経営層と担当者の間に明確な共通認識ができていない場合、展示会ブースの表現はブレてしまう

 

投資目線で展示会ブースを活用すると、社内にも波及効果が現れる

 

逆説的だが、展示会ブースを作り上げるプロセスで、社員に経営方針を浸透させるということもできる。つまり、展示会への出展はインナーブランディングの場としても活用できるということだ。

 

なぜなら、経営方針に基づいて展示会出展が担う役割を明確にすると、その指針に基づいて構築された空間・演出・接客といった展示会出展を構成する要素は、一貫した行動となるからだ。

 

終わりに

 

展示会ブースとは、経営指針を現実の空間にカタチとして表現したとものと言えるだろう。つまり、経営の最上流から展示会ブース出展を考える、ということがここでのポイントになる。

 

次回の記事では、展示会ブースのデザインとはそもそもどの領域のことなのか、経営の最上流から展示会のデザインに関わる意味とは何なのか、もっと具体的に展示会出展と企業経営を連動させる方法は無いのか、という点について考えていきたい。

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