展示会の強化書

展示会ブースの企画・装飾・デザイン・運営など展示会にまつわるプロセスのノウハウ提供ナンバーワン!展示会の狙いを強化する「強化書」です。

照明器具の使い方が適切だと展示会ブースの魅力が倍増する!?

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逆に考えると、照明器具の使い方が不適切だとブースの魅力が半減するということ。展示会場を見てまわると、照明の使い方が上手いブースと下手なブースはその差が顕著だ。

 

効果的なメッセージを打ち出しているのに照明の使い方が下手なせいで適切に伝わっていなかったり、逆にそれほど良いことを言っているわけでもなさそうなのに照明の使い方がうまいので魅力的に見えていたり・・・と、照明器具の使い方ひとつでブースの伝達力は大きく変化する。

 

 

 

展示会の残念照明

 

一定数の残念照明が展示会場を歩いていると見つかる。装飾会社というプロに発注しているはずなのに!?、なんでこんなことになっているの??、というモノがそれなりにある・・・

 

■残念照明その①

例えばサインやキャッチコピーを明るく照らすためにナナメに取り付けられた照明。たしかに、このような照明の取付方をすれば少ない照明の灯数でサインやキャッチコピーを明るく照らすことができる。

 

しかし、そもそも照明をナナメに取り付ける行為は照明の灯体そのものが来場者の目線にダイレクトに飛び込んでくるため、非常に眩しく不快なのだ。

 

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車を運転中にハイビームになっていることに気付かずに、対向車ドライバーの目線を晦ましまくっている迷惑ドライバーのようなものだろうか。本来見てほしい場所にある情報のはずが、その場所から発せられる光源のために不快感を与えてしまうとは、本末転倒もいいところ

 

■残念照明その②

対象物に対して器具サイズが考慮されていない照明という状態もよく見かける。サインやグラフィックを作ったときに、「ああ、照明のサイズ感や取り付け方が考慮されてなかったんだなあ・・・」と気づいてしまうようなサインやグラフィックだ。

 

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最初に挙げた例は、まだサインを明るくしたいという目的は垣間見える。優先順位を勘違いしているだけだ。しかし、後述の状態になっていると、ただ単に考えていなかったんだろうということが目に見えてしまう。なぜこんな残念照明が生まれてしまうのだろうか。

 

装飾会社にとっての照明計画とは

 

原因として考えられることの一つは、展示会ブース装飾を中心にしている会社にとって、照明計画は企画を進めていくプロセスのなかで後回しになってしまいがちだというところからだろう。


装飾会社の見積項目のなかで最も比率の大きいモノは造作に関わる部分、つまりブースのガワになる部分だ。予算提示があった場合、まずこのガワ部分にどれだけ予算をかけるか考えるのが通常の行為、そのうえで余った予算を照明などの他の項目に分配するという傾向がある。

 

乱暴な表現だが、照明計画は装飾計画全体像のなかでは蔑ろにされがちな項目なのだ。ヒドいときには、施工の当日にブースを見ながら、ここに照明つけようかどうしようかと考えている光景も見られる。

 

そもそも、照明器具はなんのために使うのか

 

大きくは、①対象物を明るくする機能②地明かりとしての機能、この2つがある。

 

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対象物を明るくする機能

明るくすることで「目立たせる」または「視認性を良くする」ことを狙うものだ。しかし、単純に明るくしただけではこのねらいは達成できないこともある。(例:パネルの視認性を良くするためにスポットライトを取り付けたがパネルの素材によっては光を強く反射してしまい逆に視認性が悪くなる。)

 

地明かりとしての機能

地明かりとはブースそのものの明るさと考えてもらえれば理解しやすいだろう。

明るいブースの方が活発的な印象を与えやすいという効果がありますが、しかし明る過ぎもまた良いわけではなく、目が疲れる空間になってしまったり、照明器具が持っている熱でブース内が暑く不快感を感じることもある

 

ブースの照明は明るい方がよいのか

 

ブースは明るい方がよいのか、暗い方がよいのか、という問いかけについては一概にこれが答えだ!というものはない。 

 

展示会には「周囲の状況」という前提が存在する 。来場者からは自社ブースだけが目に入っているわけではない。自社ブースの周りには他社ブースが所狭しと並んでいる。

 

隣接する他社のブースが煌々と照明を活用し明るいブースを作っているなかに、自社のブースが余り照明を使っていないという状態になったら、この状態は「暗く、沈んで見える」というあまり好ましくない印象に繋がってしまいます。特に遠目にみたときには、明るいブースほど目に入りやすく、暗いブースは目が流れてしまいます。

 

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その逆に、周囲のブースの明るさに対して余りにも明るすぎるブースというのも中に入ることを躊躇してしまう。そこまでいくと、「明るい」ではなく「眩しい」ぐらいのレベルになっているケースが多い。

 

 

程よいバランスを取るための方法は、実際の展示会場からサンプルケースを抜き出すのが早い。例えば事前に参考になりそうな展示会を訪問し、自社ブースと近しい条件のサイズ感であるブースのなかで、「快適だ」と感じる明るさのブースを拾い出し、照明の取り付け方をメモしておくとよいだろう。(写真撮影はNGの会場が多いが、そこは自己判断で・・・)

 

私が照明計画を考える場合は基本的にH2700までの範囲はスポットライトやダイクロといった照度の弱い照明を取り付ける。H2700までの高さに60W以上の明るさのLED照明などを取り付けると眩しすぎるためだ。60W以上の照明は高さ3600ぐらいから取り付けるようにしないと、短時間過ごすにはよくても長時間過ごすには目の負荷になる。来場者は我慢できても、出展者スタッフには大きなストレスとなる場合もあるのだ。

 

また、最近できたばかりの展示会場の場合は会場自体の照明が明るいので、そもそも照明の数が少なくて済むケースが多い。東京オリンピックの期間中は使えないが、東京ビッグサイトの東7、8ホールなどはかなり照明が明るいため、ブースに照明器具をたくさん使っても他のブースと大きく見え方が変わるわけではないので、そもそも予算の無駄になる。

 

ブースを明るく見せる照明の使い方(例)

 

さて、照明器具はあまりたくさん使えない、だがブース全体を明るく見せたいというときに活用できるコツがある。「明るいブース」と「明るく見えるブース」は若干異なるということを覚えておくとよい。

 

明るすぎるブースは眩しいということだ。スタッフの負荷にもなる。理想は明るすぎるわけではないが、明るく見えるブースという状態だろう。そんな、明るく見えるブースを作るためにはどうしたらよいのか。一つのコツを紹介しよう。

 

まず、ブースのなかで「通路から最も大きく見える面」を明るい色にしたうえで照明器具を集中させる、その大きな面に「接する小さな面」を暗い色にする。接するだけでなく暗い色で明るい色を挟む、という方法でも問題ない。

 

これは、来場者が見える範囲のなかでで色調と明るさのコントラストをつけるという方法だ。明るく見える面の方が大きければ、明るいブースだと感じる。また、明るい色と暗い色が同時に目に入ると、明るい色が際立って見える。

 

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ちなみに、暗い色(黒や紺など)を大きく見える面に活用すれば、照明の光に対する変化は大きく見える。だが、もともとが暗い色なので「明るく見える」かというと、効果は薄いだろう。(カッコよくは見えるかもしれない。)

 

同じ照明器具の数量・面の使い方であったとしても、このような照明器具や色の使い方次第で「明るく見えるブース」にはなる。しかし、「明るく見える」ということを優先し過ぎるあまり他のブースづくりの要素とバランスが崩れないよう調整いただきたい。

 

人間中心の展示会ブース照明計画

 

「人の行動」を起点に考えると、いままでの照明計画の考え方が変化してくるはずだ。出展者側でコントロールが難しい要素ではあるため、ぜひ装飾会社の営業・企画やデザイナーの皆さんに意識してもらいたいポイントになる。

 

以下は、人間中心に考えたときに照明の使い方はどうあった方がよいかということをカンタンにまとめたものだ。①については予算の制約もあるだろうが、計画当初から折り込んでおけば比較的容易に実行できるだろう。

 

①照明器具は常に真下に向けて設置する。
目的:照明器具が発する光そのものが来場者にストレスを与えないよう配慮する

 

②照明器具は来場者の体験に沿って適切な器具を選定する。
目的:照明器具とブース内でのコミュニケーションに不適合を起こさない

 

③照明計画を初回プラン制作時に折り込んだ計画を作成する。
 →必ず立面図を初回提案段階で制作する
 →使用する照明器具の寸法・配線経路・仕舞いを検証する。
目的:照明器具と造作・サインのアンバランスを排除する。

 

「人の行動」に触れたときに、最適である照明器具のあり方を考えていきたいものだ。

 

おわりに

  

ここまで読んでいただくと、基本的には装飾会社の考え方ひとつに左右される項目であり、出展者側でのコントロールが難しい領域ではないかと感じるかもしれない。一つの方法としては、初回のプラン段階で「照明計画」の提出を求めるという方法を採ると検証しやすいだろう。(装飾会社の方からは嫌がられるかもしれないが。)

 

基本的な姿勢として、来場者に快適にブースに立ち寄ってもらうための照明を目指すことが肝要だ。ブースを明るくすることは手段の一つでしかない。看板を明るくすること自体は目的ではなく手段である、明るくした結果、来場者から不快感なく見つけやすい状態にすることが目的だ。ここを取り違えないようにしていただければ、的確な照明計画が実践できるだろう。

 

 

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